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東亜天文学会 名古屋支部 2007年05月12日(土) 例会模様

---------------------------------------------------------------------------------------------------- 出席者 吉田孝次 滝 敏美 平澤康男 後藤俊樹 池村俊彦 木村達也 岡本貞夫 大倉正敏  8名 日時  2007年05月12日(土) 14:00〜16:30 場所  名古屋市 西生涯学習センター 2階 第3集会室 OAA事務局への例会報告(WORD) 議題 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 近況報告、研究発表 など 岡本貞夫さん (愛知県日進市)   最近の電波による流星観測(計数)の分析レポートをご紹介します。 前方散乱電波を用いた流星の年周変化と日周変化(岡本)〜福井県鯖江市から福井高専の前川氏が出されているハム・ビーコンが、 流星の電離飛跡の前方散乱による電波を愛知県日進市の岡本氏宅に設置されたクロスの2エレ八木アンテナを用いて、2006年に 1年間の連続観測を行った。 日周変化及び地球の公転により黄道面上で出会う流星物質の分布を観測することでえられる年周変化を求められた。 結果、 @主要流星群の活動がえられた。 A 日々の流星エコー数は流星交点が高くなる秋に増加が見られた。         日別計数の1年間の変化を表したものです。突出した値があるのは1月始めは四分儀群、12月は双子群です。なぜか8月のペルセウス群が飛び出てはいません。      時間単位で平均値を24時間に並べたものです。午前6時頃の公転方向の効果がはっきりと現れています。      時間単位24時間変化を画津別に並べたもの 1月から3月      時間単位24時間変化を画津別に並べたもの 4月から6月 6月午前6時に大きな群があるようです。昼間の12時にも何かあるようです。      時間単位24時間変化を画津別に並べたもの 7月から9月      時間単位24時間変化を画津別に並べたもの 10月から12月      他に電波観測をしている方のデータもあわせて、季節別、緯度別に計数を並べたものです。      前表をグラフ化したものです。高緯度ほど年間変化が少ない、ようです。       質疑   ● 眼視との同定はしていますか。    (岡本)夜しか出来ませんが、眼視では50゜程度の範囲で、天頂付近が読みえるのに対して、電波ではほぼ全天で、特に低空のもの    が良く拾えます。ビデオカメラなどで同時撮影しても同定率は5%未満です。   ● 1日の時間別のグラフで午前6時頃が多くなる現象について教えてください。    日変化で午前6時頃多くなるのは、地球の自転により観測地の天頂方向が地球の公転方向と一致するため、流星物質が例え太陽に対して相対的    に静止していたとしても地球との衝突速度が地球の公転速度(約30km/s)と等しくなり、しかも地上ではそれらが天頂方向から飛んでくるように    見えるから捕捉率が最大になり、結果として流星数が多くなる。(流星の発光はアバウトで少なくとも15km/sくらいの大気突入速度が    無いと起きないでしょう)    またApex sources についてはP.Brown and J.JonesのA Determination of the Strengths of the Sporadic Radio-Meteor Sources. Earth,Moon, and Planets    68: 223-245,1995 のなかで散在流星の輻射点を地球中心で描いた黄道座標系にプロットすると真ん中に地球の公転方向が、左90°に太陽が、右90°に    反太陽方向があり、中心面が黄緯0°になる図が描けますが、その中心より10°ほど北側に一つの集中点があります、これをApex source とよび南北    に一つずつ見られるといっています。(南はほとんど見られない)     秋分の頃は黄道が天の赤道と交わる角度が南向きに最大傾斜を取るためこの流星輻射点(北側)が北半球では観測高度で高くなり、この方向から    くる流星が多くなる。その結果が私の観測でも出ている。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 池村俊彦   
左から 

後藤俊樹さん  

池村俊彦

  前回後藤さんの丁寧な直視プリズムを見せていただきましたが、私は惑星の撮影のために実際どのような波長の光で撮影できているのか
  確認するため、webカメラで、いろいろなフィルターを使って撮影テストしてみました。
  
  グラフのATIK-2HS はカメラです。 ここでは、フィルター無しのときに相当します。
  このように撮影しても、フィルター無しのものと並べて比較..吸収線の位置を目印にしました。
  100nmごとに目盛りをつけましたが、グラフのように等間隔ではないので、フィルターによる感光している波長を目印にして
  最小二乗法でかなり苦心して目盛りを振りました。 実際にやってみると大変でした。
  吸収線の波長が特定できるのか良くわかりません。
  (岡本、後藤)理科年表に吸収線の波長が掲載されていますよ。
    
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平澤康男さん
  テクタイトについて、成因、熱心なファンなどの状況を説明されました。
  
  どんなものかということで、安価に入手した実物のテクタイトが全員に1人2粒づつ配られました。
  

  
左から 

平澤康男さん 

木村達也さん

  

  名古屋での8月28日の月食予報について、
  4月にお配りしたものは、少し間違っていたので、これに差し替えてください。
  
  

  

  

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後藤俊樹さん  
[解説] 人工衛星の位置推算のプログラムを組んでみました。
以前にN88BASICで組んだものを、WINDOWS上のBASIC/98というソフトに移植したものです。
基本の計算は、
『天文計算入門』長谷川一郎著・恒星社厚生閣
『天体の位置計算』長沢工著・地人書館
によりました。
また、中野主一氏の著書もかなり多くを参考にさせていただきました。
(日本地図は中野氏の著書のデータを使用しています。)
プログラムは、現在の主要なプログラムとは違って、リアルタイムの位置表示ではなく、
入力した人工衛星の軌道要素に対して、指定した予報開始日からの位置推算を行うと いうものです。
また、表示する範囲は名古屋市を基点にして見た半径100kmほどの範囲に限定しており、
順次、時刻を変えて位置推算をして、夕方暗くなった空に太陽光線を受けて輝いて見 える時だけを
計算して、その軌道上で名古屋市に最接近した時の地図上の位置と方位角と高度を表 示する
というものです。


  
左から 

岡本貞夫さん  

平澤康男さん 

木村達也さん 

後藤俊樹さん 

滝 敏美さん 

大倉正敏さん 

吉田孝次さん

  

画面1: 人工衛星の名称と軌道要素を入力した画面です。
     ここでは、例として、国際宇宙ステーションISS(1998-067A)の最近の 軌道要素を
     入力してみました。 また、予報開始日も同じ画面で入力しています。
  

画面2: 2007年6月3日から6月7日の位置予報です。
          夕方、日本上空を通過する軌道のみを予報しています。
          名古屋からは地平高度と日入時刻を考えると、
          2   2007  6/3  21h 6m  
          4   2007  6/5  20h13m
          の2回が観測し易いでしょう。予報時刻の10分前くらいから空を見て、南西から北東へ 向かう光点を
          見つければよいでしょう。 
  

画面3: 2007年6月5日から6月8日の位置予報です。
          画面2より数日後の軌道要素を用いて計算していますが、
          1    2007  6/5  20h13m
          は同一時刻の予報が得られています。
          3    2007  6/7  19h19m
          は名古屋からは高度はありますが、日入直後で空が明るいため、観測は難しいでしょう。
 
  

画面4: 2007年6月9日から6月12日の位置予報です。
          この期間は、日本の夕方、ISSの軌道がかなり北の方を通る様子が、予報画面から読み 取れます。
          したがって、6月上旬では、
              6月3日  21h6m
              6月5日  20h13m
          のいずれかが観測し易いことでしょう。 
  

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大倉正敏さん
        篠山恐竜発掘の話題より・御池山隕石クレータの話題より・英国自然史博物館での資料調査
  (大倉)〜ロンドンの自然史博物館(有料公開)で1600年代のリチャード・オーエンが作成した 
   資料も直接みることができるそうです。 御池山隕石クレータについては岡本氏より紹介。

   イギリス自然史博物館を見てきました。 
   大災害の記録として阪神淡路大震災が紹介されていました。
   
   恐竜化石発掘の話
   日本(兵庫県丹波市)で丸ごと1体分の恐竜化石が出そうです。
   日本は大陸プレートがぶつかり合う位置にあるため、地層が圧迫され、褶曲して、化石も変形したりするため
   大型動物の化石は余り期待できない。
   しかし、最近は、??? のため、日本の化石は注目されている。
  
   大隕石衝突による恐竜絶滅の話..日本にも隕石衝突のクレータ跡では無いかと注目されているところがあります。
   (岡本さんに帰宅後調べていただきました。)
 		クレーター規模:直径凡そ900m
 		隕石衝突時期 :2〜3万年前
 		名称     :御池山隕石クレーター
		ホームページは見つかりませんでしたが、yahooで「御池山隕石クレーター」として検索したら一杯出てきましたよ。   
  
左から 

後藤俊樹さん  

池村俊彦  

大倉正敏さん

  
国立科学博物館のリニューアル・オープンしました。
  

  左から

 平澤康男さん

 木村達也さん

 滝敏美さん

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  次回は6月9日(土)西生涯学習センター 今回と同じ場所です。 地下鉄浄心駅付近です。


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 支部長  吉田孝次
 メンバー 平沢康男 古田俊正 小島信久 水野義兼 大倉正敏、滝敏美、後藤俊樹  池村俊彦 木村達也 岡本貞夫 角田玉青・・・
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