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東亜天文学会 名古屋支部 2010年1月9日(土) 例会報告 編集中

-------------------------------------------------------------------- 天界例会報告.doc 出席者 吉田孝次、田中利彦、伊賀正夫、清野千代子、木村達也、長谷部孝男、水野義兼、大倉正敏、池村俊彦 日時  2010年1月9日(土) 14:00〜16:30 場所  名古屋市 西生涯学習センター 第3集会室 議題   1. 新年のごあいさつ(吉田)   新年のご挨拶(吉田)昨年2009年を表す漢字として「新」という字が発表されました。この「新」には2つの意味が   あると思います。一つは、従来のまのを破壊して再建するものであり、もう一つは、改善・改革を基に再構築するも   のです。しかし、歴史的に見て西洋、中国の民族間抗争ですら、全破壊というのはなくて、その土地に住んでる人の   生活、文化(特に食文化)を全面的に切替ることはなかったのです。   東亜天文学会は永年に亘り先進性のある観測研究を先達たちは行ってこられました。今の会員がやりたいことはSCIENCE   でもあり、HOBBYでもある。天文への関わり方、形態、興味の対象の多様化も進んでいます。これに伴い現代にふさわ   しい運営システムに改善、改革を行う必要があると考えています。しかし、かつてなかったような労働環境の中でア   マチュアとして両立させてゆく必要もあり、一人のスーパーマンだけで会の運営をすることも困難な時代でありますし、   また多くのスーパーマン出現を望めないことも事実であります。業務の一部をアウトソーシングすることも視野に入れ   たものを考える必要があると思っています。   今求められるものは、リーダーシップではなく、パートナーシップであると申し上げたい。   今年こそは、私達会員にとって実り多き楽しい年でありたい。       意見要望について   天界に掲載される、高度な内容の論文について。   ・一般読者が、容易に読めないような難しい高度な論文が掲載されることがあるが、掲載する以上は、きちっと査読をし てほしい。掲載されると、それなりの信憑性が高い論文として評価され、知られることとなるが、それなりに内容の公 開については本人にも、東亜天文学会にも責任があります。また、一般読者が容易に読めるような内容に噛み砕いて掲 載されることを望みます。(大倉)   ・同好会であるから、部門、支部などの活動報告を義務化し、活動状況を天界に掲載してほしい。(池村)   ・天界のホームページ掲載をやってほしい。(複数) 2. 土星の輪、月面写真(池村)   昨夜から今朝にかけて、火星、土星、月面「赤ちゃんとガイコツ」を撮影しました。   2008年12月に土星南面角度がマイナスの極小となりました。その後、2009年9月に輪の平面を通過し、今は輪の北面の極大 となって、今輪の幅が一番広くなっています。   まだ、輪平面に当たる太陽光が低いので、輪が暗いです。今後、輪が明るくなってきます。       土星の撮影を飽きたころ、すぐそばにある月が、「ガイコツとあかちゃん」が見易い位相になっているのではと、月面を   さがしてみたところ、見えたので、撮影しました。   クラビウスクレータがこの画面いっぱいになるほどの拡大率です。明け方の月で撮影したほうが、それらしく見えます。         3. OAA天界1月号の編集模様、他(田中)   天界は1月号からB5サイズとなります。   原稿は十分集まっているそうです。 4. 2009年の太陽観測について(伊賀) 2009年の太陽活動 伊賀正夫2010.01.09 1.第23活動周期から第24活動周期へ (1)2008年1月4日、高緯度黒点が出現した。翌5日に磁場観測から第24活動周期に属する黒点と確認(飛騨天文台、国立天文台)された。 (2)第24活動周期は北半球で先行黒点(西側)の磁性はS極、後行黒点(東側)はN極である。 (3)第23活動周期の開始は、1996年5月(宇宙天気ニュース 2009年 2月17日)であった。 (4)第23活動周期最後の黒点は、2009年4月30日(宇宙天気ニュース 2009年 4月30日)であった。 2.無黒点日数 近年の無黒点日数は、宇宙天気ニュース 2010年 1月5日と2009年 2月17日(篠原学)によると、 2006年 日数 11月 3日 12月 8日                   年間無黒点日数上位8 2007年 日数 2008年 日数 2009年 日数   1. 1913年 311日 1月 0日 1月 19日 1月 25日   2. 1901年 287日 2月 6日 2月 22日 2月 23日   3. 1878年 280日 3月 15日 3月 17日 3月 28日   4. 2008年 266日 4月 22日 4月 20日 4月 25日   5. 1902年 257日 5月 4日 5月 21日 5月 20日   6. 1912年 254日 6月 11日 6月 17日 6月 21日   7. 1933年 240日 7月 9日 7月 29日 7月 22日   8. 1954年 229日 8月 9日 8月 29日 8月 31日 9月 22日 9月 26日 9月 19日 10月 28日 10月 21日 10月 21日 11月 24日 11月 18日 11月 16日 12月 13日 12月 28日 12月 10日   163日    266日    261日 3.私の太陽黒点写真 (1)望遠鏡:80mm/1200mm屈折望遠鏡+PL40mm接眼鏡。 (2)減光フィルター:対物レンズ前に4D金属フィルター、接眼レンズ前にND8とHA-15(熱線吸収フィルター)。 (3)カメラ:コンパクトデジタルカメラ(キャノンパワーショットA620)。 (4)画像処理:2009年3月まではRegiStax ver.4、4月からはver.5で50枚から100枚の黒点写真を処理した。 (5)黒点相対数    月  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  2009年 観測日数:27  24  27  27  25  29  30  28  28  21  23  29  318日 相対数ig:4.4 1.8 0.9 2.5 3.3 4.3 5.9 0.0 7.6 7.1 6.0 17.0 5.1 相対数wl:1.5 1.5 0.7 1.2 1.2 2.6 3.5 0.0 4.2 4.6 4.2 10.5 3.0 個人係数:0.3 0.8 0.8 0.5 0.4 0.6 0.6 -.- 0.6 0.7 0.7 0.6 0.6 相対数wlはSIDCの速報値、個人係数=相対数wl/相対数ig
(6)信用できるか?  Web上にある黒点スケッチ川口市立科学館の20cm refractor,24cm projectionスケッチにある本影数と2009年12月に撮影した黒点写真 から本影(と思われる)数を比較した。 黒点数川口:3 5 5 8 21 22 21 17 15 23 14 14 7 11  9 10 14 黒点数伊賀:4 5 7 8 13 26 10  7  7 10 11 14 9  9 10  8 12 4.NOAA11035の変化 2009年12月14日に観測できた太陽黒点NOAA11035はその後大きな黒点にまで発達した。その後2010年1月7日に再び東縁からその活動領 域を出現した。このような長寿命の黒点は2009年にはこの黒点以外にはなかった。天候に恵まれ8日間連続撮影できたのでその変化を まとめてみた。 12月17日の太陽の視直径は32分30秒(TheSky5)、太陽写真2のディスプレイ上の直径は273.0mm、黒点NOA11035の東西方向の長さは、 24.0mm(測定値)、見かけの大きさは2.8分角であった。肉眼で見たが見えなかった。なお、黒点の位置情報はARMaps Dec 2009による。 日 黒点位置 大きさ1 大きさ2 14:******   6.8cm   32,400km 15 N31E09   9.1    40,400 16 N30W06  24.2   106,800 17 N30W18  27.8   128,300 18 N30W32  29.0   150,000 19 N30W45  28.0   173,800 20 N30W56  24.8   194,600 21 N31W70   6.7    85,000 大きさ1はディスプレイ上の黒点像を物差しで測った数値、大きさ2は太陽表面での黒点の東西方向の実距離(計算値)である。 5写真から黒点相対数を求める長所と短所 (1)長所:短時間太陽が見えていれば観測可能である。 (2)短所:小さな黒点や白斑はデジタルカメラの液晶面で確認できない。また、事後処理に時間が掛かる。シーイングに左右される。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 続、ガイコツと赤ちゃん ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
5. 月面、名古屋城とイリジウム人工衛星の撮影秘話(木村)      [画像をクリックすると等倍サイズの表示になります。]   2009/12/29 23h19m58s exp1/200s ISO400 D200mm f1600mm 直焦点    PENTAX K10D   月面全面          周辺まで良くピントが合ってすごいですね。月面全面1発撮影は、大変難しいです。(評 池村)
2009/12/29 23h51m51s exp1/30s ISO200 D200mm f1200mm Or12.5mm  Nikonクールピクス4500(最望遠側32mm) 月面のくぼ地(ソーサー)は アリスタルコスの左側 ドームの右横です。 2009/12/27 04h38M52s exp30s ISO200 PENTAX K10D A★85mmF1.4(F4.0) 名古屋城とイリジウム     ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
6. 月面研究について(長谷部) (1)月面のくぼ地(ソーサー)について   アリスタルコスの近くにあります。3日間にわたって撮影してみましたが、濃淡の様子があまり変化しませんでした。   したがって、くぼ地ではなく、表面の色の濃淡がくぼ地のように見えているのではないかと思います。また、機会があった   ら撮影してみます。   (2)今後の月面のクレーターの調査について   クレーターの外輪について、外輪がほとんど無いものや、中央丘の低いもの、高いものなどを分布の様子を調査してみよ   うかと思っています。   ドームについて 2種類の形態があります。これに近いでき方で、先日かぐやの画像から見つけて発表された、基地に最   適な地下空洞ができるように思います。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
7. 天文俳句 (清野)  ・ペガサスの羽根の輝き晩夏光  ・九月尽アンドロメダの右手かな  ・裸木は星の匂いを纏いけり  ・天狼星中天に吠え除夜の鐘  ・しなやかに北斗のしづく春を待つ   ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  支部長  吉田孝次  メンバー 伊賀正夫、清野千代子、木村達也、長谷部孝男、大倉正敏、池村俊彦、             水野義兼、田中利彦、滝 敏美、小島信久、木下正雄、岡本貞夫、古田俊正、後藤俊樹 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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