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東亜天文学会 名古屋支部 2010年2月13日(土) 例会模様

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出席者 8名 写真の並び順  池村俊彦、木村達也、大倉正敏、滝 敏美、 伊賀正夫、                    田中利彦、吉田孝次、長谷部孝男           日時  2010年2月13日(土) 14:00〜16:30 場所  名古屋市 西生涯学習センター 第3集会室 議題 1.竹下育男さんの写真展「私の天空」名古屋市・栄セントラルパークのセントラルギャラリー(池村)  今開催中です。この例会の後、みんなで行きましょう。     ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
2.KodakのC41処理ができるモノクロフィルムについて(吉田) CCDの場合、光量と濃度は直線状態ですが、銀塩フィルムの場合、感光限界部分(足)があり、  露出オーバー部分は寝ているので、許容路広範囲が広く、お祭りなどの撮影ではより深い描写ができる様に  思います。このフィルムは銀塩ですが、黒い色素で、銀ではないようです。      現像後のネガはオレンジ色のベースになっており、これをカラープリントすると白黒になるのです。  もう、白黒フィルム現像用のタンクや引き伸ばし機は処分してしまったため、このカラー現像処理ができる  モノクロフィルムのほうが手軽に撮影できると思っています。     ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
3.小惑星(6554)takatuguyosida などを撮影しました。(水野(池村))  吉田孝次さんの名前の付いた小惑星を撮影しました。そのほか彗星も撮影しました。(水野)  撮影日時がはっきりしているものは観測として月惑星研究会のほうにも受け付け、掲載しました。  観測として撮影したが報告先の無い方は、月惑星研究会にお送りくだされば受付、公開します。(池村) 小惑星(6554)takatuguyosida     小惑星(6554)takatuguyosida    
29P/Schwassmann-Wachmann 1彗星     81P/Wild彗星     ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
4.火星で、2月2日に砂嵐が北極冠に入り込んだ様子が地上から観測されました。(池村) 2月10日ころには薄くなってきています。  フランスで見やすいと言うことは、24時間37分で自転しているので、日本では火星は見えてもこの位置は  見えません。天気も悪いし、晴れてもシーイングが悪くて、国内で撮影はほとんどできていません。 フランスJean-Luc Dauvergneさん撮影 Pic Du Midi 1met      この火星図を見てください。アキダリアから大シルチスにかけて砂嵐が横切ったようです。     ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
5.太陽と火星を撮影しました。(伊賀) 太陽黒点写真(伊賀) (1)機材:80/1200mm屈折望遠鏡とPL40mm接眼鏡、対物部に4D金属フィルター、接眼鏡の前に熱線吸収フィルタと ND8-減光フィルター、コンパクトデジタルカメラ。     (2)ソフトウェアー:RegiStax5と友柚工房さん(http://www7a.biglobe.ne.jp/~tomoyu/index.html)のSunImageProcessおよび F6 Exif(Exif編集ソフト)。 (3)撮影と画像処理:太陽全体像(処理対象画像)と、望遠鏡を静止させてから約30秒後の太陽全体像(東西検出用画像) を各10枚撮影してRegiStax5で処理します。次に処理対象画像のEXIFに撮影年月日時分秒をF6 ExifなどのExif編集ソフトで 書き込みます(合成処理をしていない1枚画像では不要)。    
(4)太陽面経緯度図と展開図の作成:SunImageProcessを立ち上げ、処理対象画像と東西検出用画像を読み込みます。次に両画像の [決定]ボタンを押します。自動的に両画像の中心が求められ画面に表示されます。よければ[決定]ボタンを押します。 少し時間をおいたあとに太陽面経緯度図が表示されます(この時点で展開図も作成されている)。 太陽面経緯度図には撮影年月日時分(日本時の午前午後制。ただし午前午後の表示はない)、準ユリウス日、P、B0、L0が書き込まれます。     (5)その他:必要に応じて黒点番号などを書き込み、それぞれの画像を保存します。 (6)黒点NOAA11045:ハワイ大学の情報によると2月9日朝には東西方向に20度と長い黒点でした。長さ22万kmくらいです。     火星写真(伊賀) 「RegiStax5」と「ダーク」で検索すると「[PDF]全部ソフトウエアは無料 全部ソフトウエアは無料・私的惑星写真の撮り ...」 (kawaten.hp.infoseek.co.jp/wadai/regitax%20nakanura%20200912.pdf)がヒットします。 中村さんの方法にならって1月の火星を処理してみました。火星面中央経度は「SkyandTelescope」のWebSiteにある「Mars Profiler」 を使って求めました。使用機材は、タカハシMewlon210+3×barlow+ToUcamProIIです。 6.新たに発表された月面専用のスタック処理ソフトAviStackで月面画像を処理してみました。(滝) ここ二説明があり、ダウンロードできます。http://www.avistack.de/download.html     7.佐藤健さんに会いました。広島子供文化科学館に行きました。(長谷部)      1/15所用があって広島を訪問する機会があり、翌日土曜日にOAA評議員であり学生時代から お世話になっている佐藤健さんにお会いしてきました。 ご自宅の廿日市市はやや判りにくいということで、長くプラネタリウムの解説をしておられた 「広島市こども文化科学館」にて、お話を伺ったり館内の案内をしていただいたりしました。 名古屋支部例会でも報告しました、スペースシャトル打上げやアリゾナ大ゲーレルス教授の 案内によるローエル天文台・バリンジャー隕石孔などアリゾナ旅行の詳細や、ゲーレルス教授 との交際始まりのいきさつ、小惑星「ヒロシマ」命名に関連して市制60周年記念イベントで 小惑星代表として教授を招待された話など伺いました。 また、館内で最も値打のある物!と、広島で初めて確認され展示されている隕石の発見事情を 詳しく説明いただきました。     こども文化科学館は、プラネタリウム開設時にその写真を「Sky and Telescope」誌に投稿し その表紙を飾ったことから、ニュージーランドやフランスなど、思わぬところから関係者の 見学訪問もあったとのこと。 月面観測に関する相談したところ、いろいろとアドバイスいただくとともにアリスタルコスの 北方にあるソーサー(名古屋支部の先月例会で話題になっている)の確認を、再度念押しされ ました。(逆位相での写真撮影:今月トライしましたが天候に恵まれず、かなり高い太陽高度 での、極めてシーイングの悪い写真しか撮れていません、来月再チャレンジします) 氏は、手術の必要な病気をされて、2月5日から2週間ほど入院されると聞いています。何年 か前に同じ手術をされていて、気楽に考えておられるようでした。 写真は館全体、入り口付近にあったD51、佐藤健氏・プラネタリウム担当学芸員の村上氏と ともに事務室にて。
8.月面観測のテーマなどについて(長谷部) 月面については、特殊な形態のクレータを調べる一方、アマチュアのできる観測として、 太陽高度の異なるタイミングでの観測を長く継続できるという強みを生かすテーマはないかと、 とりあえず同じ地域の継続観測を始めてみました。 日の出から日の入りまでを長期に、比較的正面から、かつ月の高度が高い時間帯に見える 地域としてMare Vaporum(蒸気の海)を選びました。後半から天候が悪く、中断しましたが 数か月継続してみて、考えてみるつもりです。 自動追尾なのですが経緯台なので、fl=2800mmでのかなり狭い視野の写真を重ね合わせる のに、細かい角度の調整に手間取っていました。 0.1ピクセル単位で2点の位置を指定し、計算して回転位置合わせできるソフト(*)をつくり、 これらの写真に適用してみました。 1/23から2/2の8枚をご紹介します。
(*)2枚の写真中の対応点をクリックすると部分を10倍拡大表示し、その中のクリックで0.1 ピクセル単位で位置取得可能、2点の角度を十分な有効桁数で計算し画像を回転します。 以前、池村氏からアドバイス受けたように、色は周囲4点から取得して比例で決定します。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
9-1 最近現れた奇妙な彗星のような小惑星2010A2 LINER について。(田中)    彗星として発見登録されました。私も撮影に成功しました。 中央付近の薄い横線がそれです。    HSTでも撮影され、先端が奇妙なxのようになっており、スペクトル調査の結果    ダスト(固形物)であることがわかったそうです。小惑星同士の正面衝突といわれています。    彗星として登録され、実態は小惑星だとわかった初めてのケースで、IAUで今後どのように整理されるのか    見守りたいと思います。     HSTにより2010/01/29撮影された画像 「彗星のように見える小惑星」 との題名がついています。     
9-2増変光が激しい29P/Schwassmann-Wachmann 1彗星などの近況について。(田中)    2010/02/12 13:57:00(UT) に撮影したものです。    増光中で、このように増光中は恒星状態に見えます。距離が遠く、木星と同じくらいなので、動きが遅く、    移動を確認するのに時間がかかります。        普段はこんなに暗いです。  2009/04/18 12:45:00(UT)     ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
その他  この後全員で竹下育男さんの写真展「私の天空」を見に行きました。      右から4人目が竹下さんです。                天空の写真展の横の柱を見て「化石があるかもしれんよ..」大倉さん        ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  支部長  吉田孝次  メンバー 伊賀正夫、清野千代子、木村達也、長谷部孝男、大倉正敏、池村俊彦、             水野義兼、田中利彦、滝 敏美、小島信久、木下正雄、岡本貞夫、古田俊正、後藤俊樹 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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