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東亜天文学会 名古屋支部 2011年04月09日(土) 例会模様

2011/04月例会報告(word)(2011/05天界原稿) -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 出席者 6名 吉田孝次、清野千代子、伊賀正夫、木村達也、長谷部孝男、池村俊彦 日時  2011年04月09日(土) 14:00〜16:30 場所  名古屋市 西生涯学習センター 第3集会室 議題   1.評議員会 経過報告(吉田)

 3月21日(月・祝)神戸の三宮で評議員会が行われました。
  会員数の減少の事、財政の事、などが話し合われたとのことです。
 詳しくは、天界で発表される予定です。

2.月面課について。(長谷部)  私は月面に興味を持ち、観測、研究を進めています。月の拡大撮影を行っている方も多くいます。また、天体望遠鏡を初めて向け、撮影  するのは、まず、月です。そのよう中、東亜天文学会に月面課が無いのは、大変残念に思います。月面課を開くことを検討してみました。  ご意見などありましたら、お願いします。      伊賀:あれもこれもと、多くの要素を盛り込むと、大変な負担になります。まずは月面課としてできる簡単なことから、続けていけることを    目標に進められると良いと思います。  池村:月面課は空白となっているので、東亜天文学会としては歓迎されることと思います。ホームページは構築中ですが、月面課で使える     ように構築を進めていくことができます。活動方針の構想はよく考えておいてください。しかし、方針は情勢に合わせて変化するの     で、全てを一気に進めるのではなく、できることから一歩づつ、やりましょう。  
3.土星を撮影しました。(伊賀、長谷部) 天文年鑑2011によると土星は4月5日10時49分に衝(+0.4等、視直径19.3秒)を迎えました。 Bahtinov Maskでスピカにピントを合わせた後に写した土星です。(伊賀)    
 2/26,3/28,4/1,4/5の4枚です。(長谷部)        
4.西空の水星を撮影しました。(伊賀) 東方最大離隔前後の水星を写してみました。データは表のとおりです。 (TheSky ver5と天文年鑑2011による) yyyy/mm/dd mag. dia. phase% elongation hight 2011/03/10 -1.28 5.52" 88.598 11度45分44秒 7度28分 2011/03/13 -1.13 5.82" 80.738 14度15分28秒 13度19分 2011/03/17 -0.84 6.37" 66.723 16度57分13秒 20度26分 2011/03/21 -0.39 6.93" 50.105 18度45分46秒 14度43分 2011/03/23 10時10分に最大離隔(光度-0.1等、視直径7.5秒、離角18.6度) 2011/03/28 +0.97 8.78" 22.635 16度54分39秒 10度43分 2011/03/29 +1.24 9.04" 19.376 16度11分25秒 12度12分 2011/03/30 +1.52 9.31" 16.330 15度21分31秒 13度10分 2011/03/31 +1.83 9.57" 13.502 14度24分10秒 12度35分 2011/04/01 +2.16 9.83" 10.907 13度19分27秒 10度03分 最後の3月31日の撮影では低空で、観測小屋の壁で口径の一部がさえぎられていました。  4月1日には昼間太陽の位置から水星を視野導入しようと試みましたが空が大変明るく、フィルターで減光したりさまざま試みましたが光度2.16等級は  どうしても昼間の空では見つけることができませんでした。
5.大気差のさらなる補正の検討をしてみました。(池村)  検討の結果、断念となりました。  2009年5月の例会で発表した電動バリアブルウェッジプリズムですが、それなりに効果はあります。しかし、どうしても北側に緑色のにじみが出ます。  これは、大気による色分散をプリズムの色分散により打ち消した後の2次色収差のようなものだと思いました。  ウエッジプリズム側で緑色部分の屈折率が不足しているからです。SF10とBK7の組み合わせでアクロマートレンズが作られますこれをヒントに  逆に組み合わせれば、色分散は出て、偏角なしの色出プリズムを作ることができます。偏角がなし、ということは、光軸のズレが起こらないという点で  画質向上を期待でき、より高度なバリアブルができると思ったのです。SF10とBK7の波長別屈折率から算出してみると、BK7単独より、緑色の色分散不足が  大きいことに気が付きました。  今、緑色が出て困っているのに、もっと強く緑色が北側へ出ることが予想されました。  そこで、光学ガラスカタログから116種類全部のガラスについて色分散率と、緑分散不足率を算出し調べてみたところ、色分散率と緑分散不足率がほとんど  比例しており、ほんのわずかなばらつきしかありませんでした。それでもあえて、  色分散率が大きく緑分散不足率が少ないものと  色分散率が小さく緑分散不足率が大きいもの  を組み合わせてみると、色分散率の差がBK7の1/5しかありませんでした。つまり、現在はBK7プリズム3゜を使用していますが、この5倍の角度が必要  となり、頂角15゜ほどのプリズムを2枚張り合わせて それを2枚 となるとプリズムの厚さだけで最低25mmほどにもなることが予想されます。  重くて電動のモーターが動かない、価格はたぷん1セットで30万円以上となるでしょう。これでは画期的な画質向上は期待できないと思いました。  これではだめ、と断念することとしました。   ところで、昔、木曾シュミットでこのような対物プリズムを使っていることを知りました。あれは、星のスペクトルを撮影するための強制的な色出し  として使うものなので、問題にはならないのです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  支部長  吉田孝次  メンバー 伊賀正夫、木村達也、長谷部孝男、滝 敏美、池村俊彦             田中利彦、清野千代子、大倉正敏、水野義兼 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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