電動式可変ウェッジプリズム製作解説  池村 2017/12/05



はじめに
写真、すでに作った図面、部品や材料の入手方法を中心に2009年に作ったときの記憶の限りで紹介します。
実物を見たい、もっと詳しく知りたい、という方はメールでお問い合わせいただけば、お応えいたします。
実物は、愛知県新城市の観測所に置いてあります。

手作りで1個の試行錯誤の自作なので、部品が少量個人購入のため、改めてかかる費用を調べてみると高くつきました。
工具も含めてすべて新たに購入調達し、ロスも考慮すると総額8万円ほどかかったようです。
小遣いがあるときに少しづつ部品、材料、工具、を調達して工作を進めていくので、
今8万円すぐに要るわけではありません。自分の都合で、半年ぐらいかかって完成できれば良いです。
作ると決めたら完成するまで、がんばってください。
途中で断念すると、苦労して入手した、高価なパーツが、ゴミになってしまいます。
これは使える。作る価値がある。最後まで自分で完成できる。と確信が持てるようになったら、
工作に取り掛かりましょう。
できあがってから、振り返っていくら掛かったか調べてみると8万円ぐらいだったかなという感じです。

こんな順序がよいかなと思います。(●少し高額なところ)
@全容と接続形態の確認、接眼部の確認 
A●ペンタックス67接写リング2組の入手
B●モーター2個の購入
Cステッピングモーターコントローラー キット、ボックス、モーターコネクタ、6Pスイッチ等 購入組み立て
D●ギア購入
E真鍮板、アクリル板、工作用CD ネジ、スペーサー 購入、工作
F●プリズム購入
G試用、調整、改良
H実用
プリズムが最も高額。装置がほぼ完成しないと全く使えない。
消費税10%になる前に、制作意欲モチベーションのために、早めに購入しても良い。

高橋の接眼部部品を出発点としました。 アダプター接続環にペンタックス67接写リングを取り付ける形です。 ペンタックス67接写リングは少々高価ですが、これを使った理由は、 ・アダプター接続環にうまく合う、 ・バヨネットで脱着が容易な使い易い物ができる。 ・アルミで軽い、 ・工作が容易、 ・パワーメイトの直後にプリズムを置くためにも接眼部にかぶせる形にしたい ・使用時に長さの調節が容易。 など。 この部分を自作すると、ネジ留めとなり、使用時の脱着が簡単になりません。 ギアは厚さ3mm スペースの間隔は4mm  プリズムの今の位置、向きを見るため、保持板は最初はすべて3mm厚のアクリル板でスケルトンに したのですが、プリズムの今の向きを見る必要がないことがわかり、何度も組み立てなおして いるうちにモーターを取り付けている保持板が割れたので、1mm厚の真鍮板にしました。 モーター取り付けのネジ位置が、接写リングからはみ出す位置になるので@の真鍮の保持板は耳つき のような形になります。 工作練習、試作として記録面をはがしたCDを工作してみるのもおもしろいです。
とりかかり 接眼部の部品 アダプター接続環[KA00723]に取り付けるので、今使っている接眼部のものを 使用するか、予備を購入するか決める。 ペンタックス67接写リングを2組 入手する。製造終了品なので、中古をネットで探す。 製作には1組を使いますが、使用時にもう1組必要となります。 (2017/12現在 アマゾン中古で1組5000円前後・新品15000円) もちろん中古でOK。傷や汚れがあったほうが気楽に工作できます。 精密工作用ドライバー、電気ドリル 2.4mmキリ 3mmタップ 3mmネジ やすり  ペンタックス67接写リング#3のバヨネット雄側を取り外し、KA00723に3mmネジで留める。 注意 ・上下をはっきり確認して取り付ける。 下側に配線箱をつけることになる。 アダプター接続環[KA00723]をぎゅっと締めて接眼部に取り付け、上位置を確認して裏側など目立たない 場所に上の印をつける。 接写リングのバヨネット 67カメラに装着する場合の上の赤マークやメス側にロックボタンがある。 上マークの赤が接眼部の上側になるようにKA00723に3mmネジで留める。 ・ロックネジ位置を手触りでわかるようにしておく。 これで暗闇でも手探りで装着が簡単にできる。 接写リングを結合した状態のときのロックボタンの位置に、 #3のバヨネット雄側を取り外したものの外側に3mmネジ穴を立て短く切った3mmネジをつける。 (下写真の矢印→) アダプター接続環とバヨネット雄の裏側は段差がカチッとはまるので、位置決めにはそれほど苦労はしない。 前述のように上下方向は正しく合わせておいたほうが良い。(回転位置1mmぐらいの精度) 2.4mmの穴を開けて3mmタップでネジを立てる。力がかかるところなので5箇所を留めた。  裏側にネジがはみ出さないようにする。 接眼部に取り付けてみる。このまま今までの撮影、眼視に使える。 アイピース留めネジが、接写リングの中に収まるかどうか確かめる。 アダプター接続環[KA00723](今使っているものをそのまま使っても良い) 高橋の接眼部一式(4万円台 規格が合わなければ購入する。)
モーター  ゲーム機用とのことで世の中に広く使われているようですが、入手はめんどうです。 そこらの店に置いてある ような品ではありません。 製造会社は 日本電産コパル電子 製品情報→ステッピングモーター で出てきます。 SPG20-1000シリーズ  最近、品番が変わったようで、同一製品の品番は SPG20-1290 と思われます。直径20mm ユニポーラ ギヤ比1/36 (昔は1/72があった) 遅いほうが良い。SPG20-1308 でも良い。(トルクと消費電力が2倍) このメーカーは直接販売していません。(問い合わせてみたら1ロット1000個単位といわれました。) 私が入手した経緯は電気パーツ店にお願いし、秋葉原で取り扱っているところから仕入れたとのことで 1個3500円でした。今はどうかわかりません。 日本電産コパル電子のこのモーターの説明場所 https://www.nidec-copal-electronics.com/j/product/list/014001/ 代理店 通販で買えます。単価5000円になっています。(2017/12現在) ステッピングモーター SPG20-1290 のキーワードで探す。たとえばここ等。 他の代理店もあるかもしれません。探してみてください。 SPG20-1290 SPG20-1308 どちらでも良いです。入手できる方。 必要数は2個ですが、接眼部の電動化にも使えるので、資金にゆとりがあれば予備を含めて4個くらい買ったほうが良いです。 工作の中心となるものなので、工作の初期に入手したほうが良い。取り付け位置、軸の長さ太さ、コネクタなどを確認できる。
プリズム  確実に入手できるし、単価が高いので、工作がほとんど完成してから買っても良い。 実物を見ると工作意欲が高まります。 光学メーカーをいろいろと探してみましたが、エドモンドが最も安く入手が容易でした。 エドモンド TS N-BK7 ウエッジプリズム 25mm 2° VIS 0° 日本語指定 optics → prisms の一番下 N-BK7ウエッジプリズム 2枚重ねとなるのでコーティングなしでは光の減衰が4面となり、暗くて使えません。 直径25mm TS N-BK7 ウエッジプリズム 2° VIS 0°  ウエッジ角度 3°52' #49-440 を2個 単価5650円×2+税+送料 (2021/08現在) (合成石英は該当品番89-639 屈折率が低く、色分散量が少なく、価格が単価16150円、さらに厚くなるので BK7のほうが良いと思う。) 事前振込みの条件で見積を依頼し、購入する。 この直径25mmはたいへん厳密に25mmに仕上げてあります。
電気パーツ店で入手するもの モーターを入手してから、モーターを持っていくと良い。 9〜11Vの電源  9V電池でも、ACアダプターでも使えるようにしておくのがやりやすい。 電池は、コントロールボックス内に入れることになる。 ACアダプター12Vは少し電圧が高すぎます。モーターが壊れたら困るので11V以内にしたい。 ACアダプター用コネクタ雌 コントローラーの電源入り口の差し込み口 種類が微妙(へその太さに種類がある) なので実際に使うACアダプターをもって行ってこれが刺さるもの として求めたほうが良い。 ステッピングモーターコントローラー キット(約1000円〜2000円) と追加トランジスタ(回路保護用 100円以内) これを組み立てたもの 4個のトランジスタは発熱するので放熱板がつけてある。 放熱板は個別に取り付ける。 放熱板を1個の長いもので共用にすると、動作しません。 回路保護用トランジスタは組み立て済み画像右下部分の Z と書いてある黒いもの。 電源を+-間違えると、回路部品が壊れて作り直しとなります。それを防止するため、電源の+入力側に取り付ける。 12Vぐらいのトランジスタ。電源の間違い防止用 として店の人に相談すると、ホイ と出してくれる。 (これは接眼部用に使っているものです。こんなイメージということで。) モーター接続用コネクタ Zと書いてある一番小さいサイズが合います。モーターを持って行ってこれにはまるもの とすれば確実です。 モーター側が雄なので雌側 6穴 2セットですが、小さくて失敗しやすい。 安いものなので5セット+ピン50個程度購入。 カシメ工具(5000円くらい)これがなければ、ほとんど不可能。  モーターに入る線は6本ですが真ん中2本は電気的に接続しているので途中電線は5本でも6本でも良い。 この例では6本。  配線のモーターへの出口は5本コネクタを使っています。 4本+1本 という考え方ならここをUSBコネクタを使う方法もあります。G(グランド)に相当する部分が、 電源の+なので注意してください。 0.3-7芯ケーブル 4m コントローラー本体=手元コントロールスイッチ ⇔ モーター装置 8芯のLANケーブルでも可能です。LANケーブルジャック2個を基盤に取り付ければできます。 利点 長さを選んで簡単に変えられる、痛んだとき取替えれば済む。色は白を。 欠点 LANコネクタの差込口部品はプリント配線基板に取り付けるようなかたちになっている。 これを自分で工作できそうか、LANコネクタの差込口部品をよく見て判断する。 必要数は2個、プリズム装置側にも取り付ける必要がある。 LANケーブルは3m〜5mのもの普通にパソコンに接続しているものが安心。 スリムの細いものでは試したことが無いので...芯線が細いので、良くないかもしれない。 内部配線用に、カラフルな帯状ケーブル1m プリズム装置側写真の D⇔ モーター は5または6芯と、 コントロールボックス内配線に使う。  モーター側は6穴の専用コネクタ。D配線ボックス側は5芯なので、ここにはUSBコネクタを使用可能。 USB雌部品をDの配線ボックスに取り付ける自分なりの工夫が必要です。 無理だと思ったら上の写真のようなコネクタを検討する。 6Pスイッチ 設定タイプ。 左側または右側 に倒れっぱなしで設定して止まるもの 1個 6Pスイッチ 復帰動作タイプ。 普段は中にあり、左側、右側 に押すと接続し、放すと中に戻るもの 1個 ボックス 基盤サイズ47mm×72mm 6Pスイッチを取り付ける高さが必要      ACアダプターの差込口スペースまたは9V電池格納交換スペース、(LANコネクタ用部品を取り付ける工夫)      色は白が良い。夜見やすいため。      (私は7芯ケーブルを箱の底部角に接着し、前方へ出した。)        ACアダプターの差込口の位置はこのケーブルと同じ側が良い。 スペーサー 高さ4mm 穴3mm 100個入り1袋100円くらい 実際に使うのは10個ぐらい。 その他必要なもの テスター 半田ごて  電源、ステッピングモーターコントローラー、モーター1個 を接続して、回路図面の指示通り 動くようになったら。コントローラー回路からスイッチ線、モーター駆動線を取り出して コントロールスイッチを取り付け、接続してコントロールボックスの底に固定する。 この回路は電源が入れっぱなしで、モーターが動いていないときも電気を使い、発熱します。 そこで、左右切り替え起動スイッチ SW1 SW2 のスイッチ動作と同時に電源マイナスを 接続するようにします。 左右切り替えと同時に電源が入るように、するため、放すと復帰する6Pスイッチを使用する。 下図のAの配線は、電源−の入り口と導通しているはずなのでそれが確認できたら、 Aの配線は、やめて、スイッチのBC間をつなげばよい。 速度調節は、しょっちゅう変えることはないので回路キットを作成したままで十分です。   2コの6Pスイッチは、上下、左右の別は気にしなくても良い。左右はどちらともいえないし、 正逆は動きが90゜変わるだけで反対でも問題ない。 ただ、正逆は上下に、動作の左右は横向きが使いやすいと思います。使ってみると感覚で操作できます。 ステッピングモーターコントローラーの仕様が変わっている場合もあるので、   −電源は正回転逆回転のSW    +電源はモーターの真ん中 のはずです。回路図を良く見るか、組み立てたキットをテスターで調べるなどして 確認してください。 7芯ケーブルは、LANケーブル(8芯)を流用するのもお勧めです。 痛んだら容易に取替え可能だから。長さサイズが選べる。 LANコネクタ差込口のパーツを2個を基盤またはボックスに取り付ける方法を考える必要がある。 ちょっと面倒。 コントロール回路キット、ACアダプター、電池、スイッチ、コネクタ、ケーブル、箱  半田ごて、カシメ工具 等 5000円〜10000円ぐらい。 -------------------------------------------------------------------------------- ギア、モーター部分。 1mm厚の真鍮板 100×100 2枚 2mm厚のアクリル板100×100 1枚  (CDの記録面をはがしたものも強度があり、使えると思います。2枚) CDやアクリル板は柔らかく加工しやすいが、強度が弱く、われてしまったため、真鍮にとりかえた。 3枚とも真鍮でもよい。 工作の練習として、3枚とも記録面をはがしたCD(DVDでもよい)で仮作成してみるのも良い。 安価に簡単に入手できるし、真鍮よりやわらかいので、穴あけ等工作が楽です。 失敗しても苦になりません。(4mmネジ)でやってみて、5mmのほうが良かったか調子を見てみること も可能です。 スペーサーの付いている3mmネジの位置や、モーターの留めネジの位置、ピニオンギアの位置精度 プリズムギアの中心位置精度など、調子の良いものができたら、それをガイド定規にして、 真鍮板を改めて加工すると、作りやすく、動きの良いものができます。 モーターを載せない3枚目などは、CDのものをそのまま使っても良い。 平歯車 モジュール0.5 (歯数×0.5=直径(mm)という規格) 協育歯車工業株式会社 プリズムをセットするメインの歯車:平歯車 直径50mm  モジュール0.5 歯数100 歯厚3mm ポリアセタール(黒)  S50DM 100B − 0303 2個 (白でも良い S50D 100B − 0305 2個)  要点 モジュール0.5 歯厚3mm 中心穴は削り取るので関係ない  単価500円前後 モーターに取り付ける真鍮歯車 協育歯車工業株式会社 平歯車 モジュール0.5 歯数20直径10mmモーター軸3mmに取り付ける。 S50B 20B+0303 真鍮:BBS モジュール0.5 歯数20 穴3mm ネジ3mm 3000円前後だと思いました。 メールで 個人小口なので、事前振込み払いすることを明記して見積を依頼をします。 pdfカタログの平歯車編をダウンロードして探すと見つかります。 (小原歯車には該当品、代替品はありませんでした。) このほか、小歯車4個 プラスチックギア モジュール0.5歯数18〜20 この写真の中の青色のギア これはプリズムの乗っている50mmのギアをモーターの反対側から押さえるもので、軸にフリーに回っています。 私はミニ四駆のパーツ箱から流用しました。 モジュール0.5を確認してください。モノタロウ で入手できると思います。 品名:ピニオンギヤ(モジュール0.5)14/16歯セット  2種1コづつ1袋 価格60円 この価格はものすごく高い(原価は1個 1円以下)ですが、ここで簡単に入手できます。   必要数 同じサイズ4個 不良品や工作失敗を考えて 10個...600円 ほどをお勧めします。 歯数16は直径8mmで、これは小さすぎて工作がしにくい。5mmネジではなく4mmネジの方が合うかもしれない。 モジュール0.5:18〜20が最適です。 協育歯車 ポりアセタール白 S50D 20B−0303 も候補です。 穴径3mm(留めなし) ハブ部分を切り落とす必要があります。 やすりで削ればすぐ。 少々高いですが必要数は4個なのでこれを一緒に買ってもよい。 モノタロウで単価389円(留めあり) これを5mmネジが通るように穴を広げているが、5mmネジをやめて4mmネジにすれば、 モノタロウの1個60円の歯数16直径8mmでもいけそうです。 高さが高すぎるものは削って4mm未満 3.5mmぐらいにします。 このピニオンギアに5mm(4mmでもよい)のネジをフリーになるように通します。 送料、代引き手数料 などが800円〜1000円ぐらいなので、細かい単価を考えるのも あまり意味がない。工作のしやすさ、購入手続きの少なさ、楽なほうで安易に考えましょう。 協育歯車は価格が明記されていないので、品番、数量を決めてまとめてメールで見積を依頼し、 見積のメールを受けてから事前振込み。発送されて、宅配を受け取る。 やや煩雑。 モノタロウは価格が書いてあり、注文入力決定すると、送料代引き手数料が決められ、発送開始される。 受け取り時に代金を払う。30分ぐらいで手続きが済む。
ネジ  厚さは 真鍮板 1mm 2枚 アクリル板2mm 1枚 プリズムスペース4mm×2 で合計16mmなので 通し留めネジは20mmか25mm 突き出てもそれほどかまわないので25mmの長さ 5mmネジ3コ(4mmネジ3コ) 3mmネジ10コ 2mmネジ長さ5〜6mm 6個 工作部分の接写リング#3と#2を接続固定するため 短い3mmネジを20コ そのほか 工具等 3mmキリ 5mmキリ(4mmキリ) ドリルで使える小型の丸砥石 25mmの穴 40mmくらいの穴 をあける   やすり はさみ プリズム押さえの材料として 缶コーラの空き缶1個 クリアホルダー1個 タップ、キリ、丸砥石など3000円くらい ギア 5000円ぐらい モーター12000円ぐらい
使用時の接写リングの下側に配線ボックスが付きます。 これとぶつからないように、2つのモーターは接写リングの上側にします。 接眼部側の真鍮板にモーターを3mmネジで留めますが、ネジ留め位置が中途半端な位置になるのを 避けると、片側のネジ留め位置が接写リングの筺体の位置になります。 工作概要、めど 直径50mmギアの工作 プリズムの直径25mm ギアの直径50mm ギアの真ん中に25mmの穴を開けて幅12.5mmのドーナツ状にする。 プリズムがすでにあれば、中心にぎりぎりで入るようにする。 これが脱落しないように、直径50mmギアの後ろ側に押さえを作る。 アルミの炭酸飲料の缶をハサミで切って中心穴23mm幅7mmの円盤2枚を作る。 アルミ円盤をギアにあてがい、1.5mmのキリでギアとともに3箇所×2に穴あけ、ギア側に2mmネジ切り。 アルミ円盤のネジ穴を2mmにして、2mmのネジでギアに取り付ける。 留めネジの頭が周囲に当たらないようにする。2mmネジは3mmほど突き出す。 クリアホルダーをハサミで切って、中心23mmの穴あけ、37mm〜38mmのドーナツ状を作る。 真鍮板、アクリル板の中心穴に引っかからない、ぎりぎりの外径にする。 ギアから2mmネジがはみ出ている部分に押し付け、位置を取ってから、細い針か1mmのキリで穴をゆるくする。 ここにプリズムを入れてから、クリアホルダーの部品を押さえつけてネジを突き出してプリズムを留める。 これらが周りに当たらないように、ギアが保持板の中で回るには真鍮板の穴は直径40mm。 これでギアは周辺5mmが保持板にかかる。 保持板の外形 少しづつ違う。 38mmの中心穴とモーターの軸穴と5mm(4mm)と3mm穴は同じ位置 モーター留めネジは@は3mmでモーターを留める。ABはネジ頭またはナットを留めるための工具穴 たぶんこれはBの板 強度不足を感じたので作り直したものです。 分解、組み立ては、ネジの数が多く、狭い場所にナットがあるなど、かなり困難なので、いまさら分解して @ABの板の実物を撮影することができませんでした。 真鍮板@にケ書きをして3mmネジ5mmネジ(4mmネジ)をあけた後、これをガイドにしてABの保持板に3mmネジを 通して留めた後、3枚を合わせて他の穴も開ける。 私はほとんどその場で、実物あわせで穴の位置を決めました。 下側5mmネジ(4mmネジ)、ここにピニオンギアを通してプリズムギアに合う位置を決める。 モーター軸に直径10mm20歯の真鍮ギアをつけて 下のピニオンギアから120゜の位置でプリズムギアと かみ合う。2個のモーター軸それぞれのすぐ横に5mmネジ(4mmネジ)+ピニオンギアを配置。 プリズムギアの状態。 @A板の間は下ピニオンギア、左ピニオンギア、右モーターギア AB板の間は下ピニオンギア、左モーターギア、右ピニオンギア 左右は逆でも良い。 モーター軸につける真鍮ギアは@A間 またはAB間に合わせて軸に取り付け、モーター軸に固定する。 @はモーターの留めネジ片方2箇所が接写リング筺体の位置となるので、その部分をはみ出す形にする。  はみ出る部分以外は接写リング#3の中に納まるようにする。 Aはモーターの留めネジのナットが回せるよう穴を大きくする。接写リング#3の内径と同じサイズにする。 Bは接写リング#2の内側からあてがい、3mm5mm(4mmネジ)の留めネジを締めるとピタッと固定するようにする。  接写リング#3のオス側爪のバヨネットをはずした側を、接写リング#2の真鍮板を取り付けた側に  かぶさるように取り付けるが、改造前の接写リングを普通に連結したときと同じ様に上下をそろえる。  モーターに当り、はみ出る部分を最小限削る。  穴を開けたカバーのような形になった#3リングの外側3箇所に1mm厚のアルミ板または鉄、真鍮などで   #2リングをネジで接合する。 写真のDの場所 7芯ケーブル(LANケーブル)の接続場所はブリズム装置の#3接写リングカバー側で、モーターの反対側 接眼部に取り付けたとき下側になる。 ここで受けて、分岐して、モーター駆動用の6芯(5芯)2本の差込口に配線する。 全部配線を接続して、コントローラーを操作し、思いどおりにスムースに動作することを確かめる。 ブリズム回転の動作速度を調節する。プリズムは、これより遅いぐらいがよい。 速度調節は、ステッピングモーターコントローラー基盤の中央付近にある小さな可変抵抗器です。 一度設定したら、ほとんど変える必要はありません。 工作が完了したら、よく清掃し、プリズムの一番厚い部分に印をつけて、装着する。 試運転して、全周思い通りに動くか、確かめる。当たって止まる箇所があれば、その原因を究明、解消する。 コントローラーから7芯(またはLANケーブル)で接続した配線分岐部分の補強固定。 配線分岐からモーターまでの小さくて作りにくい6芯コネクタを見直し、断線や半抜け折れ曲がりに ならないようにする。 プリズムを透かして調べ、ホコリや汚れがひどければ清掃する。 接眼部の焦点位置の出ている量に合わせて、パワーメイトの位置を調節し、接写リングを追加する などしてカメラに像が結ぶよう調節する。 その他 改良可能の箇所 ・モーターへの5芯線がプリズム装置の外側を這い回っています。 この線を装置の内側を通し、内側から下側の配線ボックスに接続できれば、操作時に手に触れることが 無く、断線の心配が少なくなります。 モーターネジ留めの位置、モーターの配線入り口の場所などを考えれば、できるかもしれません。 ・プリズムの装着方法、クリアホルダーを切って、2mmねじに突き刺していますが、もう少し スマートな方法、脱着が容易で確実になる方式が工夫できれば、プリズム清掃が容易になります。 200mlペットボトルの蓋の内側に25mmの円形のはまる場所がある。これがプリズム保持に利用できる可能性。 ・装置への7芯ケーブル(LANケーブル)の軽量化、垂れ下がり対策などもっとスマートに。
  以上です。 かなり費用と期間が掛かります。 よし作るぞの決断にも期間が必要です。 部品の調達に1ヶ月ほどかかると思います。そんなにあわてず、ぼちぼち部品を注文、入手します。 平行して図面を書いてみる。工具が整っていれば、工作は1週間ほどでできると思います。 完成すると、惑星撮影で、驚くほど快適に、厳密に色ずれの補正ができます。 また、長く掛かった工作の達成感と満足感が大きいです。 愛知県のある方が、「天体望遠鏡の内部は、大きな筒の中はがらんどうのからっぽ。」 ニュートン反射などは、まさにそのとおりです。 しかし、このプリズム装置は、モーターとギアとプリズムと、知恵と工夫その他がいっぱい 詰まったものになります。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆      池村 俊彦  〒468-0004 愛知県名古屋市天白区 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆