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東亜天文学会 名古屋支部 2007年06月09日(土) 例会模様
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出席者 吉田孝次 滝 敏美 平澤康男 後藤俊樹 池村俊彦 木村達也 6名
日時 2007年06月09日(土) 14:00〜16:30
場所 名古屋市 西生涯学習センター 2階 第3集会室
OAA事務局への例会報告(Acrobat)
議題
近況報告、研究発表 など
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後藤俊樹さん
[解説] 続、人工衛星の位置推算のプログラム
5月の例会の「人工衛星の位置推算」についての補足です。
先月5月12日の例会で発表しました人工衛星の位置推算についてのプログラムの画 面では、
ISS国際宇宙ステーションの軌道要素から軌道を計算して予報をしておりましたが、
6月上旬は天候が優れず、予報の人工衛星の観測は雲のためにかなり難しかった様子 です。
また、ISSの軌道要素は変化が大きく、あまり長期間の予報には確実性が保証され ません。
そこで、新たに、別の人工衛星を選び、その人工衛星の位置推算を行いました。
[画面の解説]
今回は、UARS上層大気観測科学衛星の軌道要素を入力して、7月5日から7月14日までの
位置推算を計算しました。
画面より、
7月9日20h56m
や
7月12日20h13m
などのときに、名古屋の上空を通過することがわかります。
いずれも、南西から北東へと軌道を北上する様子がわかります。
UARSの明るさは2〜3等級とのことです。
軌道要素はNORADのHPからNASAのTwo−Line FORMATのデー タを得ています。
質疑 作画に書いてある方位角はどこからどう測る角度でしょうね。
全員で図を熟視。南から時計回りであることがわかりました。
後藤さん自身も、プログラム作成後、はじめて再確認したとのことでした。
また、画面で名古屋最接近時の ○黄色で→ を出力するところは、このプログラムで最も苦労して工夫したところということです。
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滝 敏美さん
20cmF6ドブソニアン、webカメラでモザイクにより月面の全面写真を作りました。
13から17枚の画像をつなぎ合わせます。
パノラマ写真を作成するフリーソフトを使用しました。
撮影データー
2007/05/22, 21:48-22:01 月齢3.7
8インチ反射,fl=1237mm, 直焦点,固定
Philips SPC900NC Webcam Mosaic of (15fps X 5sec) X 17 separate video sequence
K3CCDTools Ver. 1.1.7.541 RegiStax Ver. 4.0 PhotoFit feel Ver. 1.102
撮影データー
2007/05/26, 21:08-21:28 月齢5.7
8インチ反射,fl=1237mm, 直焦点,固定
Philips SPC900NC Webcam Mosaic of (15fps X 5sec) X 29 separate video sequence
K3CCDTools Ver. 1.1.7.541 RegiStax Ver. 4.0 PhotoFit feel Ver. 1.102
このようにして画像処理をしていると、光条の様子が、欠け際に近い場合と、満月状態のときと違いがあること、
小さなクレーターで、満月の時には白い点として見えているが、欠け際の時には見つからないものがある。
逆に欠け際ではクレーターとして見えるが、満月状態の時には見えなくなっているもの。
また、ティコから延びる光条の放射点方向がティコの方向からずれているものなど。
不思議に思うものが多々ありました。
それらの不思議な状態を捉えるために、今後は月面の拡大撮影を蓄積していこうと思っています。
ティコから伸びる光条について平澤康男さんの説明
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平澤康男さん
・藤井旭さんから、今年1月に現れたマックノート彗星のオーストラリアでのすざましい姿の写真が送られてきました。
・栃木県の方から中秋の名月の日付の算出依頼を受けたので、計算してみました。
質疑・秋分の日が基準ですか。
答・ 秋分の日の直前の新月を調べ、それを旧暦の8月1日とし、その14日後を中秋の日とします。
旧暦はもちろん朔のときを月の1日とします。24節季を基準として
春分の直前の朔を2月1日
夏至の直前の朔を5月1日
秋分の直前の朔を8月1日
当時の直前の朔を11月1日
日食などがあると、旧暦1日は明確になります。
参考 (木村さん)
織田信長が討たれた本能寺の変は、1582年旧暦6月2日で、この日の前日に京都では食分90%の日食が
あったととうことから、6月2日と確認されたということです。しかし、この日食のことがほとんど時代劇で扱われて
いないということは、この日食のときの京都は天候が悪かったのかもしれませんね。
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吉田孝次さん
・佐藤 健(たけし)さんから自分史を送っていただきました。
はじめて木星観測をしたのは1954年8cmとのことです。
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滝 敏美さん
・おとめ座γについて
二重星として面白い対象ですよ。
角距離0.8" 3.5等−3.5等 同じ明るさの星です。
南西側が主星です。
星空を望遠鏡で紹介する観望会などで、「名所」としての二重星のわかりやすい星図を作ろうと思っています。
質疑(池村) 名所というとたしかこのあたりに異常に赤い星がありましたがそういうのも対象ですかね。
逆に青いのは..
(吉田)星の温度による型がありましたね。そのような異常に赤いK型M型の星は流星痕撮影時(赤外線カット
フィルターなしで撮影している)では異常に明るく写り、この星座の位置でよかったのか再確認することが良くあります。
(池村)「OBAFGKMでしたか、これで合っていますか。」
(木村)私は 「おまえはばか・あほ・フーテンで学校も会社も免職だ」で覚えました。
(後藤)私は 「Oh be a fine girl kiss me 」これです。
話がそれましたが、おとめ座γぜひ様子を見てくださいね。
おとめ座γはこれですよ。
上が南です。望遠鏡で眼視したときの様子です。3.5等-3.5等で、南側が主星です。
滝 敏美さん
webカメラはフィルムより感度が高いので、これまで出来なかったこと、いろいろとやってみたいと
思っています。それでいま考えているのは、ハルトマンテスト。webカメラで撮影し、どうやって
分析評価するか、方法、計算式などを探しています。
(吉田) 心当たりを探してみます。
(池村) 20cmF6の焦点の回折像の大きさは約3μmです。光学面の評価としてはその1/10の精度で評価する必要が
ありますが、webカメラのピクセルの大きさが5μmなので、穴あきマスクを鏡面にあてて、焦点直前直後の
位置誤差を0.3μで評価するのは無理のように思います。
鏡面研磨をやっている人は、簡単に正確に評価できる良い方法があれば、うれしいでしょうね。
2007/06/12 おとめ座γを撮影しました。(池村)
高度が40゜ほどで、大気による色分散が出てかなりみにくい。
ウェッジプリズムで補正すると、見事に色が消えて見やすくなった。
眼視では
250倍 二重星であることがわからない。
500倍 二重星に見えるが、もう少し倍率を上げたい。ピントが合いにくい。
800倍 鏡面のひずみが出ているのがわかる。もう、こんなもんでしょう。
ということで500倍以上の倍率で見たいところです。
撮影は、1/100秒と1/50秒で撮影し、1700枚ほどコンポジットしました。
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次回は2007年7月14日(土)名古屋市中生涯学習センター。 地下鉄上前津駅の南です。
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支部長 吉田孝次
メンバー 平沢康男 古田俊正 小島信久 水野義兼 大倉正敏、滝敏美、後藤俊樹 池村俊彦 木村達也 岡本貞夫 角田玉青・・・
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