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東亜天文学会 名古屋支部 2009年5月9日(土) 例会報告
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出席者 8名 吉田孝次、伊賀正夫、清野千代子、木村達也、長谷部孝男、岡本貞夫、河原義則、池村俊彦
日時 2009年5月9日(土) 14:00〜16:30
場所 名古屋市 西生涯学習センター 第3集会室
議題
1.惑星撮影用ウエッジプリズムユニット自作(池村)
惑星撮影時の大気による色分散をプリズムで補正して撮影するためのものです。
これまで1枚のウェッジプリズムを撮影アダプター内に固定して撮影していました。そのため、天体の
高度、方向が変わると、色ずれを補正する方向や強さを調整するため、撮影アダプターをあけて回転
させたりプリズムを取り替えたりする必要がありました。もちろん、構図やピンとも合わせなおしと
なります。
これを解決するため、2枚のウエッジプリズムの装置作りたいと思っていました。
大阪府堺市の熊森さんが、2枚のプリズムの装置を作られたとのことで、私も作ろうと、構造、部品、
材料の入手をずっと考えていたのですが、やっとめどが立ったので、この5月の連休に工作をがんばって
作りあげました。プリズムを除いて、部品、材料費は合計10000円ぐらいでした。
装置は完成したのですが、残念ながらプリズムの納品がもう2〜3日後で、望遠鏡主鏡も修正中なので、
実写テストはまだしていません。
2個の小型モーターを使って、2個のプリズムを手元のスイッチで回転させます。
色ずれの補正方向と色ずれ補正の強さを手元のスイッチで独立して調整できるので、カメラをつけて
からモニター画面を見ながら補正できる様になります。
実物では中に組み込んであり、わかりにくいので、このテスト用モーターを見てください。
2個のモーターがそろって同時に同じ方向同じ速さで回転、 そろって同じ速さで逆回転を手元のスイッ
チでコントロールできます。
プリズムの直径は25mmで、そのセルとなるものを探したところ、なんと、ペットボトルの蓋がうまく
使えることがわかりました。 写真で見えている白い枠はペットボトルの蓋を彫刻刀で削ったものです。
私はペンタックス67の接写リングを使っているので、プリズムはこれに組み込みました。
難点は、接眼部には、ラックピニオンに取り付けたモーターのコントロールケーブルと、このプリズム
コントロールのケーブルと、カメラのUSBケーブルの3本が垂れ下がることとなり、どうやって使いやすく
ケーブルをまとめるか、ちょっと工夫が必要になりそうです。
プリズムの外径が25mmで、枠に入れて固定すると有効径が20mmほどなので、工作の精度を上げて
23mmぐらいにしたいところです。
31.7mmの接眼部で使えるようにするにはまた、一工夫が必要となります。
(河原)この丸い穴や円盤に切り抜くのはどのようにしてやったのですか。
答 ディスクグラインダーである程度削ってからヤスリで仕上げます。畳の和室の部屋中に金属粉が
飛び散り、いつも、えらいことになります。
2.今朝(5月9日)ISSを見ました。(木村)
5月9日明け方4:23ころISSが名古屋の上空を通り、仰角86゜で見えるとの予報に基づき見ました。
MT200で覗いてみました。何とか視野に入れてみることができましたが、天頂近くでは大きく見えるが
追尾が難しく、低い高度の時には追尾はできやすいが、姿が小さいです。大きさは木星の2倍強で
裸眼でも近接した2個の点として見えたという人が居ました。
モータードライブで西天から天頂まで1分程度で動けば追尾できるでしょうか。
望遠鏡の普通のモードのままでは追尾が追いつかず、オランダのバンディバさんのような画像を得るのは
大変困難であることがわかりました。お見せできるような写真は撮れませんでした。
3.太陽黒点の相対数について(伊賀)
最近は8cm屈折でコンパクトデジカメで太陽黒点の撮影をしています。黒点がほとんど無い状態が続いており、
拡大撮影して太陽面を良く見ないと見落としてしまうような小さなものが少しある、という程度です。
で、今端のほうを見ると白斑があります。これがどうなっていくのか。
詳しく拡大撮影したものを見ていると、どのようなものが黒点といえるのか、境目は何か、疑問を感じて
います。 それほどに黒点は少ないです。
(河原)ファインダーで太陽を見ることがありますが、いつも黒点が無い状態が続いています。
太陽の観測方法について、直視する場合目に当てる減光用のものとして、昔はろうそくですすをつけたガラス
や学習用下敷きが理科の教科書に載っていました。カラーフィルムではいけないそうです。
(河原)白黒フィルムならいいですかね。
(??)4cmに絞ってフィルターをつけて直視していた時に、フィルターが割れたことがありました。
(池村)21cm反射で紫外線フィルターをつけて250倍で太陽黒点を感激して見ている最中にフィルターが割れたことがありました。
(岡本)無メッキミラーでも光が1/20になる程度なので、目にはよくないです。
直視する方法は、どれも多量の赤外線が目に入るので、現在では直視方法は推奨されません。
投影するか、カメラをつけて撮影するのがよいです。
(伊賀)私はカメラで撮影するか投影するだけで、怖いので、直視方法で太陽を見ることはありません。
4.月面の特殊なクレータの続き(長谷部)
先月に続き、周囲の盛り上がりのないクレータについて、報告します。
Ibn Battuta(Goclenius A)についてご報告しました。似たようなクレータとして、直径4.6kmと規模は若干小さいですがSabine Eを報告
します。以前 眼視にてそのような感じを受けていましたが、添付M090430.jpg写真にも撮れ、月面地図LAC-60でもそのように描画され
ています。やはり海(静かの海)の中ですので、先月報告のような生成シナリオ仮説が成り立つかも知れません。
ゴーストクレータLamontの周囲にあり、Apollo 11号着陸地点に近くその後Armstrongという名前がついたクレータです。
5.ドブソニアン用赤道儀(長谷部)
ご近所観望会に向け、赤道儀を製作中です。あと微動装置を付ければ完成です。
ちょっとバランスが悪いですが、昨夜、土星を使って、約1時間の程々の追尾が可能であることを
確認しました。
このアイデアは国際光機とのことです。
6.今年7月22日の皆既日食についての情報(河原)
友人からキャンセルの空きが出たので、参加しないか、とのお誘いがありましたが大変そうなので結極私は7月22日の皆既日食を見に
行くのはあきらめました。いろいろと情報を聞いたところ、上海は午前中はいつも朝霧が出ており、7月もたぶん朝霧でしょうとの
情報でした。 もう、船も満員で、漁船をチャーターしていくという計画もあるそうです。種子島の先端も皆既帯に入っているので、
そこに行くという人もあるとのことです。
7.その他
例会の様子
木星の写真 木星の模様がある程度写るようになって来ました。(長谷部)
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支部長 吉田孝次
メンバー 田中利彦、伊賀正夫、清野千代子、木村達也、長谷部孝男、水野義兼、池村俊彦、
小島信久、木下正雄、岡本貞夫、滝 敏美、古田俊正、大倉正敏、後藤俊樹
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