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東亜天文学会 名古屋支部 2011年02月12日(土) 例会模様

2011/02月例会報告(word)(2011/05天界原稿) -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 出席者 6名 吉田孝次、伊賀正夫、木村達也、長谷部孝男、滝 敏美、池村俊彦 日時  2011年02月12日(土) 14:00〜16:30 場所  名古屋市 西生涯学習センター 第3集会室 議題   1.評議委員選挙について(吉田) -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 2.中部天体写真同好会写真展紹介(吉田) ■ 遥かなる星空-3 2011/01/25〜30 がありました。 場所  愛知県豊橋市今橋町    見に行ってきました。天界掲載のために、取材してきました。
中部天体写真同好会の石橋直樹さんからお話をうかがいました。
  取材の様子。天界に掲載されますので、詳しくはそちらをごらんください。      ■2月17日からは名古屋栄セントラルギャラリーで展示会が行われます。 遥かなる星空-3 2011/02/17〜28  場所  愛知県名古屋栄セントラルパーク地下1階    ■おまけ これは地球の表面    「個展」日本の風景(吉田孝次)2011/02/17〜28  場所  愛知県豊川市御油町
3.土星白斑の先端輝部V系の位置測定(池村) 土星白斑先端部のV系位置について 1日あたり 3系+2.84006゜と算出されました。 「彗星のように見える」との阿久津さんのコメントから、測定してみようと思い立ち12月13日から2月11日までの測定できそうな15コの画像から 先端の位置を測定しV系での移動量を算出してみました。 結果はV系を基準に1日あたり+2.84006゜でした。 地球の1日 つまり86400秒で、土星の自転する量は下記のようになっています。 1系=844.300 2系=812.000 3系=810.7939024 この3系に対して+2.84006゜ですから 白斑の自転速度は 813.634゜となります。 どちらかというと2系に近いですが、どの系とも一致していません。 下記の計算式ができました。 白斑V系位置 2月0日を基準に d=2月の日付として 白斑位置= V系+2.84006×d+ 40.75467                              白斑V系位置 2月0日= 2.84006×d+ 40.75467  JST-DATE TIME 地心距離 南中時刻 視直径 輪長径 輪短径 Ds CMT CMU CMV 中央緯度 白斑V系位置 白斑正中時刻 2011/02/01 09:00:00 9.1431AU 04h23.93m(JST) 18.10" 41.25" 8.16" + 8.97゜245.978゜ 38.699゜129.970゜+11.40゜ 43.59 2011/02/02 09:00:00 9.1280AU 04h19.96m(JST) 18.13" 41.32" 8.16" + 8.99゜ 10.360゜130.778゜220.843゜+11.39゜ 46.43 ●02d 03:50(JST) 2011/02/03 09:00:00 9.1131AU 04h15.97m(JST) 18.16" 41.39" 8.17" + 9.00゜134.743゜222.858゜311.717゜+11.38゜ 49.27 2011/02/04 09:00:00 9.0983AU 04h11.98m(JST) 18.19" 41.46" 8.17" + 9.02゜259.127゜314.939゜ 42.592゜+11.37゜ 52.11 2011/02/05 09:00:00 9.0837AU 04h07.98m(JST) 18.21" 41.52" 8.18" + 9.03゜ 23.512゜ 47.022゜133.467゜+11.36゜ 54.95 2011/02/06 09:00:00 9.0692AU 04h03.98m(JST) 18.24" 41.59" 8.18" + 9.05゜147.897゜139.104゜224.344゜+11.35゜ 57.80 ●06d 04:04(JST) 2011/02/07 09:00:00 9.0548AU 03h59.97m(JST) 18.27" 41.66" 8.19" + 9.07゜272.284゜231.188゜315.222゜+11.33゜ 60.64 2011/02/08 09:00:00 9.0406AU 03h55.95m(JST) 18.30" 41.72" 8.19" + 9.08゜ 36.671゜323.273゜ 46.100゜+11.32゜ 63.48 2011/02/09 09:00:00 9.0266AU 03h51.93m(JST) 18.33" 41.79" 8.19" + 9.10゜161.059゜ 55.359゜136.980゜+11.30゜ 66.32 2011/02/10 09:00:00 9.0127AU 03h47.90m(JST) 18.36" 41.85" 8.19" + 9.11゜285.448゜147.445゜227.860゜+11.29゜ 69.16 ●10d 04:18(JST) 2011/02/11 09:00:00 8.9990AU 03h43.87m(JST) 18.39" 41.92" 8.19" + 9.13゜ 49.838゜239.532゜318.741゜+11.27゜ 72.00 2011/02/12 09:00:00 8.9855AU 03h39.82m(JST) 18.41" 41.98" 8.19" + 9.14゜174.228゜331.620゜ 49.623゜+11.25゜ 74.84 2011/02/13 09:00:00 8.9722AU 03h35.78m(JST) 18.44" 42.04" 8.19" + 9.16゜298.619゜ 63.709゜140.505゜+11.23゜ 77.68 2011/02/14 09:00:00 8.9590AU 03h31.72m(JST) 18.47" 42.10" 8.19" + 9.18゜ 63.011゜155.798゜231.388゜+11.22゜ 80.52 ●14d 04:32(JST) 2011/02/15 09:00:00 8.9460AU 03h27.66m(JST) 18.50" 42.16" 8.19" + 9.19゜187.403゜247.888゜322.272゜+11.20゜ 83.36 2011/02/16 09:00:00 8.9332AU 03h23.60m(JST) 18.52" 42.22" 8.18" + 9.21゜311.796゜339.978゜ 53.156゜+11.17゜ 86.20 2011/02/17 09:00:00 8.9206AU 03h19.53m(JST) 18.55" 42.28" 8.18" + 9.22゜ 76.189゜ 72.069゜144.041゜+11.15゜ 89.04 2011/02/18 09:00:00 8.9082AU 03h15.45m(JST) 18.57" 42.34" 8.17" + 9.24゜200.583゜164.160゜234.926゜+11.13゜ 91.88 ●18d 04:46(JST) 2011/02/19 09:00:00 8.8961AU 03h11.36m(JST) 18.60" 42.40" 8.17" + 9.25゜324.977゜256.252゜325.812゜+11.11゜ 94.72 2011/02/20 09:00:00 8.8841AU 03h07.27m(JST) 18.62" 42.46" 8.16" + 9.27゜ 89.372゜348.345゜ 56.698゜+11.09゜ 97.56 2011/02/21 09:00:00 8.8723AU 03h03.18m(JST) 18.65" 42.51" 8.16" + 9.29゜213.767゜ 80.438゜147.584゜+11.06゜100.40 2011/02/22 09:00:00 8.8607AU 02h59.08m(JST) 18.67" 42.57" 8.15" + 9.30゜338.162゜172.531゜238.471゜+11.04゜103.24 ●22d 05:00(JST) 2011/02/23 09:00:00 8.8494AU 02h54.97m(JST) 18.70" 42.62" 8.14" + 9.32゜102.558゜264.624゜329.359゜+11.01゜106.08 2011/02/24 09:00:00 8.8383AU 02h50.86m(JST) 18.72" 42.68" 8.13" + 9.33゜226.954゜356.718゜ 60.246゜+10.99゜108.92 2011/02/25 09:00:00 8.8274AU 02h46.75m(JST) 18.74" 42.73" 8.12" + 9.35゜351.350゜ 88.812゜151.134゜+10.96゜111.76 2011/02/26 09:00:00 8.8168AU 02h42.62m(JST) 18.77" 42.78" 8.11" + 9.36゜115.746゜180.906゜242.022゜+10.93゜114.60 ●26d 05:14(JST) 2011/02/27 09:00:00 8.8063AU 02h38.50m(JST) 18.79" 42.83" 8.10" + 9.38゜240.143゜273.001゜332.911゜+10.91゜117.44 2011/02/28 09:00:00 8.7962AU 02h34.36m(JST) 18.81" 42.88" 8.09" + 9.40゜ 4.539゜ 5.096゜ 63.799゜+10.88゜120.28
質疑  吉田 この彗星の尾に見える部分の真ん中が黒くなっていますが、これは何でしょうね。     池村・・・・・わかりません。 長谷部 U系のほうが近いのに、なぜV系で論議するのでしょうね。     池村・・土星の中緯度の模様についてはV系で論議するのが通例なのだそうです。V系との差により 813.634゜と出ましたから     U系+1.634゜ということですけど..    伊賀 V系+2.84゜ということは遅いのですから、この写真では右へ移動しているということですね。     池村 あっ!そうですね。 グラフでは左に移動しているように描きましたが、これは左右逆のほうが       良かったかもしれませんね。 今まで左に動いているとばかり思っていて、考えたことも無かった。  多数 白斑が右に動いて、尾の位置に残留物がたなびいているのか、     白斑は静止していて、周りの気流により尾をたなびかせているのか、     どちらなんでしょうか。     池村 固定した地面があればそこを基準に風が吹いていることになりますが、それはわかりませんね。     地上では風が開いている日に熱気球に乗っている人は無風だということですから。それと同じだと思います。     池村 どうも土星観測史上初めてのようで、紫外線、赤外線では強くは写らず、可視光の画像でよく写っているということで、今、     多くの土星研究者が考えているところだと思います。     

木・土星課からの回答

  -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 4.生涯学習センターにグループ登録を申し込みました。(池村) 生涯学習センターにグループ登録すると、ロッカーが使えるということで、グループ登録を申請することにしました。  登録後は名古屋市の生涯学習センターのページにグループとして登録されますが、「自然科学」という登録グループは  現在、無しなので、問い合わせがくる可能性があります。  また、観望会や、セミナーなどの要望がくると思われます。  新しい、若い天文愛好者を増やす機会、道となります。そのときは何か、ご協力いただけばと思います。  グループ情報登録カード内容  ・新規  ・グループ名 東亜天文学会名古屋支部  ・発足年 昭和30年ころ  ・活動分野 自然科学  ・活動内容区分 天文愛好者の発表及び交流  ・活動内容 全国規模の同好会の名古屋支部として発表及び情報交換を行っている。        星座、星雲、惑星などの発表の場として、毎月第2土曜日午後に例会を行っています。        天文に興味がある方どなたでも参加できます。  ・場所 名古屋市西生涯学習センター  ・主に活動する曜日 月に1回 第2土曜日 午後 2時から  ・会員数10名  男性9 女性1  ・募集状況 募集している  ・入会条件 天文に興味がある方  ・費用   入会金0円 月会費200円  ・URL  http://zetta.jpn.ph/oaa_nagoya/  ・代表者  連絡先 池村俊彦  ・ボランティア 依頼があればしても良い 登録はしない  ・名古屋市のホームページへの掲載承諾 する  この中の 西区 分野では 自然科学 になる予定です。  ・グループ一覧表への掲載承諾     する  ・参加希望の問い合わせを受けたとき 活動日を教えて活動日に来てもらえるように依頼してほしい。  ・代表者等の連絡先(電話番号)を教えてもよい  ・提出年月日 2011年2月1日    
  5.ポアと太陽黒点   岡崎市 伊賀正夫  2011年2月1日の太陽面に小さな黒点が発生した。太陽全面写真を通常のRegistax処理しただけでは確認できなかったが、  微小黒点確認のための過度のウェーブレット処理により確認できた。国内の黒点写真サイトでも確認できたが、ウイル  ソン山の150フィート太陽望遠鏡のスケッチには記録されていなかった。  2月3日15時20のSIDC/Uccleスケッチには記録があり(Pores)の書き込みがあった。  太陽の黒点は磁束管が太陽の表面に浮かび上がって一対のポアが発生し、このポアが発達して黒点になるすると説明され  ている 下記(1)。  ポアと黒点の違いは、ポアは黒点よりも小さく半暗部を持たないとのことである(2)。  2月1日と3日に撮影した微小黒点のPC液晶ディスプレイ上の大きさから実直径を推定すると2,000kmから3,300kmとなった。  これはポアの平均的な大きさである。このポアはその後消滅した。  2月4日になるとこのポアのすぐ南側に新しいポアが発生した。このポアは発達してAR11153として採番され黒点にまで発達  し、10日に西縁に没した。  このAR11153の諸データはNOAAにより次のように公表されている。  Date Nmbr Location Lo Area Z LL NN Mag Type  04/2400Z 1153 N15W18 172 0030 Cro 05 04 Beta  05/2400Z 1153 N15W31 172 0010 Bxo 04 03 Beta  06/2400Z 1153 N16W42 168 0015 Bxo 08 05 Beta  07/2400Z 1153 N15W56 171 0030 Dro 05 07 Beta  08/2400Z 1153 N15W71 171 0080 Dko 05 08 Beta  09/2400Z 1153 N15W88 175 0180 Dso 09 06 Beta-Gamma  Michal Sobotka著"Photosheric LAYERS OF SUNSPOTS AND PORES"  (http://www.asu.cas.cz/~sdsa/files/sobotka/Prewpub.pdf)によると  (1)The observations(e.g. Wang & Zirin 1992, Keil et al.1999) shows that sunspots and pores are formed by merging   of small magnetic elements,motions of of which are driven by supergranular subsurface flows. Small flux elements   coalesce into small pores and spots.  (2)Sunspots have the penumbra while pores do not.  (3)Typical parameters of sunspots and pores pore sunspot Dvis(Mm) 1−6 6−40 可視光で半暗部を含む直径 Imin(Iph=1) 0.2−0.7 0.05−0.3 暗部中心部明度(光球平均値=1) B(0)(G) 1700 3000 暗部中心部の磁束 B(Rvis)(G) 1200 800ガウス 半暗部と光球面の境界部の磁束 γ(Rvis) 0−60度 約70度 半暗部と光球の境界部の磁場勾配  (計算)PCディスプレイ上で長辺153mm(写野135秒角)の拡大像で微小黒点の大きさは3.0mm(1日)と5.0mm(4日)であった。  153mm:135"=3.0(5.0):x"  x"=135*3.0/153=2.6(4.4)"  69.5万km*2の太陽が31'=1860"に見えると考えて、  69.5万km*2:1860"=ykm:2.6"  ykm=(69.5*2)*2.6/1860=0.19万km=1,900km(3,300km)     
6.縮小光学系の試作(長谷部)   月面全体の撮像と回転補正処理  (1)これまでの撮影方法   継続的に行う観測目標が定まっていないまま、種々楽しみながら撮影技術の向上や、どんなことが出来るかに挑戦している段階  であるが、従来は望遠鏡:シュミカセC-11 (280mmF10) + ×2・×3切り替え可能に作成したバーローレンズCCDカメラ:  「DFK21AU04 (640×480ピクセル、1/4" 3.6×2.7mm) 画像処理ソフト:Registax を組み合わせ、主に拡大撮影をしてきた。  この間シーイングに恵まれると、かなり高解像度の木星・月面の写真が得られた。   しかし×3バーローとの組合せでは、長辺で、3.6÷(2800×3)≒0.025deg で月面の直径の約20分の1にしかならない。  直焦点でも1/7の範囲である。 (2)月面全体の撮影のために   例えば月食中の観測を行うには全体を撮影できる装置が欲しいと考えた。   C-11と、保有しているCanon EOS kissFを使う前提で、手持ちレンズを用いて縮小光学系を試作。   φ40 FL=500mmのアクロマートがあったので、図2でb=185→a=281:b/a=0.64で試した。      右写真の像直径は3530ピクセルで20.16mm。この日の月距離から計算すると焦点距離は2105mmとなる。主鏡位置を調節した結果、   焦点距離と焦点位置が変わったと思われる。bを180mmとしたのはアダプタ強度を考慮した結果の判断。全体を写すにはレンズ   焦点距離を変える必要がありそう。
 (3).像回転の修正   C-11が経緯台式なので撮像画像は時間とともに回転する。640×480ピクセル程度の画像についてはPCの画面上で、各画像上の   共通参照点2点を結ぶ角度を計算、補正して繋ぎ合わせていた   部分拡大撮影にこの手法を使用していたが、海全体の色とか大きな構造を調べる目的で広域の写真を得たいと考えると非能率的で   あった。一眼レフによる大画角画像に対して同様の処理するために、参照点をマウスなどで指定するのに、PC画面上に各画像を   縮小表示し、位置を指定する際に部分拡大して行う手法を適用した。   画素数として3888×2592ピクセルを想定し、1〜1/6の縮小表示に対応できるよう工夫した。   図4と5分程度経過して撮像した図5をこのソフト処理で回転させ、市販画像ソフトで張り合わせた画像が図6。いずれもRegistax   で16枚のスタッキング後ウェーブレット処理したもの。この処理例では回転角度は0.48度であった。       
7.双眼鏡による星観(滝)  私は通勤は自転車で朝7時ころ堤防の上を行きます。このとき5×20の双眼鏡を持っていきます。朝は野鳥がいっぱい目に付き  この双眼鏡でバードウォッチングを楽しみます。  帰りは暗くなってからなので途中で止まって、星空を見ます。ある本には口径30mm以下では天体観察には向かないなどと書かれて  いますが、そんなことはありません。M31アンドロメダ星雲や M45すばる などがよく見えます。きれいで楽しいので  これにより星を見る機会がふえました。  小さな双眼鏡でも十分楽しめますので、皆さんも楽しんでください。  この双眼鏡はネットの通販で買いました。 メーカーはHINODE(ひので)となっています。  例会参加者で供覧しました。 大変軽いのに驚きました。7×50が一般的ですが、あれは大変重いですから。  3月にオープンする名古屋市科学館のプラネタリウムに持っていって、どのように星が投影されているか見ると面白いでしょうね。    ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 8.惑星地質学の本を買いました。(長谷部)   ひととおり読み終えたところです。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  支部長  吉田孝次  メンバー 伊賀正夫、木村達也、長谷部孝男、滝 敏美、池村俊彦             田中利彦、清野千代子、大倉正敏、水野義兼 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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