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東亜天文学会 名古屋支部 2020年06月13日(土) 例会模様

-------------------------------------------------------------------- 出席者  吉田孝次、長谷部孝男、今枝優、浅井香代、貞永幸代、小林美樹、土合加津代、木村達也 日時  2020年06月13日(土) 14:00〜16:30 場所  名古屋市 西生涯学習センター 第三集会室 主な話題: 1. 各自近況  木村  仕事以外では医者(整形外科)・スーパー・ホームセンター・ドラックストアー以外は自粛してました。  つまり日頃と変わりません。  長谷部 ほとんど自粛生活を続け、2月の例会以来の名古屋外出です。知り合いを通じ、アダプタの加工の相談があり、 元名古屋支部会員の水野義兼氏に依頼し実現できました。 依頼者は名古屋市北区在住で、岐阜県恵那市の方に 観測所を持っているそうです。   貞永  仕事柄どうしても出かけなければ行けませんので普段どおりでした。  今枝  地域の役での会議も中止なったりして、かなり影響がありました。   小林  ビデオカメラを使っての静止画像を撮っています。  浅井  天文も含めて四つの趣味の会がすべて止まってしまいました。  土合  自粛中は天文の勉強をと思っていましたが、なかなか進みませんでした。  吉田  写真教室はLINEを使って行いました。 西空のスワン彗星を西空が開けた高台に出かけ撮影してきました。 2. 最近発見された彗星の軌道要素 (今枝)  ・今年の3月16日に発見されたP/2020 F1の軌道は降交点で土星軌道にかなり接近し、1936年5月に土星に0.0074 auまで近づき、 周期が37.9年から17.9年に変わったようです。  ・2020年4月22日に発見されたC/2020 H5は近日点が9.4auもあり、発見された彗星の中では7番目に大きな近日点距離です。 3. 二重星の観望 (今枝)    ふたご座の3星(38Gem・δGem・κGem)で38Gemは分離して見えたが、あとの2星は見えず。ふたご座は天頂付近にあり条件は  同じと思うが微妙に見えるものと見えないものがあります。 4. 小惑星 19853 Ichinomiya について (今枝) 《池村さんからのメール》 2020年2月17日に99P/Kowalを撮影した画像にたまたま写っていた小惑星19853 Ichinomiyaの命名の由来を調べてみました。  2012年の国際会議「小惑星・彗星・流星会議2012」で、研究成果の発表を行った日本の高校三校を記念して小惑星に学校名 が付けられ、その一つが、一宮高校地学部なのだそうです。 5.「時の太鼓」 (今枝)   毎年、時の記念日に岐阜県北方町西順寺で行われている「時の太鼓」は今年は中止でした。  6. 月面LOVE、月面A (長谷部)   愛媛支部の竹尾氏から2月1日22〜23時に、長谷部が予報した通りに直角に近い「L」と「E」が見えたとメールが  ありました。 私は他の私用等もありすっかり忘れていましたが、その地形での太陽高度計算値からの予報がほぼ  正しいこと、「L」は月面での緯度が高く、見かけの形状は秤動の南北方向の影響を受けやすく、「直角に見えるには  北側に寄る+5度以上が良い」 という事も確認できました。  「西条市の渡邊了太さん撮影の動画が次のサイトで紹介されています」とのこと、頑張って作っておられました。 https://youtu.be/3IPXUOt_tB4 昨年12月には来年度の予報を請われ 計算したのですが、日本での見やすいタイミングを判定していました。 最適なタイミングを世界時で表現すれば、見える地域は必然的に決まるので、そのような計算をしてみようと提案した ところ、世界発信できるので嬉しいとの事。 また2月7日の月面Aはどんな感じか問われたので、ネットに公開されている良好な写真の撮影時刻を元に、月面LOVE 同様方法で計算し、20時半ころの結果を得た。 秤動的には西に振った-5.8度なので、「結構良い感じ」 という結果を報告した。 この時は天候に恵まれなかった。 7. 国立天文台のペーパクラフト ホームページで公開されているデータをダウンロードして次の5種を作ってみました。 @ 月球儀 :「かぐや」の測地データによる等高線図を元にしたもの A ALMA電波望遠鏡 1/100スケール  a. 日本製作の7mパラボラ、 b. 12mパラボラ、 c. 移動台車 B TMT(30m望遠鏡Thirty Meter Telescope ) 計画中の 1/500スケール 本体のみ ケント紙を使って と書いてあるが、糊代などかなり細かいので、若干厚めの普通紙で作成してみました。 Aは、結構細部まで表現され、なかなかのもの。 @の月球儀 とAの7mパラボラを持参するので見てください。 他にすばる望遠鏡もダウンロードしたが、ちょっと雑そうなので作っていない。

月球儀

「かぐや」の測地データによる
 等高線図を元にしたもの



左; ALMA12mパラボラと移動台車
パラボラは水平回転と傾斜ができる。
移動台車は各タイヤの方向が変えられる。
(1/100スケール)
右: TMT(30m望遠鏡)の完成予想
 (1/500スケール)
TMT完成予想




日本製作の7mパラボラ



12mパラボラ



MT(30m望遠鏡Thirty Meter Telescope ) 
計画中の 1/500スケール 本体のみ






8. 月面に関する論文の翻訳
    月面で、最近でもどのようにできたか疑問視されているIMP(Irregular Mare Patchイレギュラマーレパッチ)と
  呼ばれる地形がある。その成因に関するL. Qiaoの「ソシゲネス イレギュラ マレ パッチ(IMP): 隣接する海の古い年代と
  調和する地質学的火山噴出形成モデル(2017年)」を翻訳しました。
    従来のクレータ年代学から推定される形成年代の若さ(数億年前)は大きな問題であったが、この論文ではこの地域は
  多孔質の岩石でできており、周辺の海地形とあまり変わりがない30億年前にできたとする。
  多孔質岩石が生成されたプロセスを地球火山での岩脈のでき方などを参考に説明している。
  多孔質材料に対しては、頑丈な玄武岩への衝突に対し、同じ大きさ・速度の隕石でも、できるクレータ径が小さくなると
  いう衝突実験に関する報告論文を元にしており、提示文献中Michael H. POELCHAUの「MEMIN研究ユニット:多孔質砂石に
  おけるスケーリング衝突クレータ実験(2013年)」も翻訳しました。







9. 月面溶岩ユニットの撮影 (長谷部)
   2020年6月2日夕方に比較的良好な画像を得ました。 ただし太陽方向が逆のタイミングのものが不足していました。


10. 中日新聞に掲載された天文関係の記事(長谷部)
 「はやぶさ2」の記事が多かったです。


2月例会以来の開催でしたが、全員健康な姿での開催になりました。



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 支部長   吉田孝次  
 メンバー 伊賀正夫、浅井香代、長谷部孝男、貞永幸代、小林 美樹、 
      木村達也、中谷仁、今枝優
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