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東亜天文学会 名古屋支部 2021年03月13日(土) 例会模様

出席者 7名 吉田孝次、長谷部孝男、今枝優、貞永幸代、小林美樹、土合加津代、木村達也 日時  2021年03月13日(土) 14:00〜16:30 場所  名古屋市 西生涯学習センター 第三集会室 主な話題: 1. お久しぶりです    (各自)   コロナで中断していた間の活動と想いを各自語ってもらいました。
2. 最近発見された彗星 (今枝)   P/2020 S6 (Leonard)は木星に近い軌道でしたが、1983年7月2日に木星に0.07auま     で接近し火星軌道とも接近する現在の軌道になったようです。 
3. 二重星観望      (今枝)    シリウスの伴星が見やすくなっています
4. 話題いろいろ     (長谷部)   (1) プラネタリウム投影用2.4mドーム   学研おとなの科学」のピンホール式プラネタリウムは良い出来栄えで、投影用ドームを一度作りかけたのですが   失敗しています。自粛生活が長いこともあり、六角形−五角形多面体(サッカーボール)方式で計画、A4コピー用紙   での最終試作で決定しました。五・六角形はさらに強度を増すため三角形で構成、やや高い三角形として中央部を   膨らませました。試作の多角形辺長(基線長)は190mmでドーム径は約93cmとなりました。   100円均一の画用紙(380 mm×540mm /6枚)を前提に、8畳間設置用に基線長500mm(径2.4m)としました。   試作と同様自立形を想定し、下から2段目製作段階で、保管時の分割形状から組み立てる過程で自立困難な状態が   発生。一人で組み立てることは無理と判断し天井から天頂部の五角形とその周囲六角形を常時吊り下げする方式に   変更しました。保管場所も課題でしたが、この方式では吊り糸の間に残り部品を載せることで、照明器具周囲に   収めることができました。現在、一番下の段が未作成だが、難しそうなところはほぼ出来上がり、一部に投影して   試しています。




 (2) 天界 記事投稿   「月面あちこち」と題して勝手ながら選んだ地形に関して解説する連載を開始しました。   第1回は2月号の月面LOVEを取り上げ、第2回は3月号に「海の溶岩流」について書いたものが掲載されました。  (3) 月面LOVE予報   OAA愛媛支部の竹尾支部長からの要請で、予報を行っています。   今年は天界2月号に掲載したが、2022年の分も要請され調べてみたら日本ではあまり条件が良くなかった。   さらに2023年の予報も要請され、ボチボチ始めています。  (4) 名古屋大学福井先生の無講演会 on Zoom   @ 福井教室 第139回(2020年10月31日)    ノーベル物理学賞が今回はブラックホールの理論・観測に関してであったことに因み概説。    銀河中心にあるBHの周囲を回転する星の長期間の観測を粘り強く継続、挙動から質量を推定、発見につながった。     観測ではゲンツェル・ゲズがKeck10m鏡+補償光学で、銀河中心部でガスに隠れた星を撮る近赤外の写真を1995年    から観測を重ねた。結果的にBHの周囲を2周以上回転していると結論。福井先生も国際会議での熱心な発表に感じ    いっていたとのこと。   A もういちど学ぶ天文学(2020年11月28日) :星はどのように生まれるか?    1960-70年ころ、ガス雲の収縮による星の誕生が理解され、1990-2000年位には太陽クラスの星の誕生については    理論的に理解された。1995年ナンテンを建設、予備観測により15-20km/secのC-C衝突で30太陽質量程度の星20個    くらい見つける。重力だけでは成立しない大質量星の誕生について研究を継続中。   B 福井教室 第140回(2020年12月26日)    名大も感染者が出る状況、ALMAもシャットダウン中、出張は国内も海外もなし、テーマ受付も1年延期。    138億年の歴史図を描き出すのに重要:ガリレオの落体の法則以降、ティコの惑星運動観測、ニュートンの万有引力、    フラウンフォーファのスペクトル吸収線、ラジウム放射線発見、宇宙線の発見、一般相対性理論、重力波検出。     12月2日の講演内容:星の形成(天体形成論)    小質量星・大質量星・星団・ブラックホール、必要な質量をどのようにして重力圏内に集めることができるか?   C もういちど学ぶ天文学(2021年1月30日) :ビッグバンって何。    大口径望遠鏡が開発され、隣の銀河のスペクトル観測で視線速度が測定された。    すべての銀河が遠ざかり、距離と速度が比例している:膨張宇宙。データが少ない中、大胆な結論付け。    銀河内は重力が支配し、銀河間は重力の影響少なく、空間が拡大。逆算すると一転から急拡大した。    太陽(恒星)中心では1千万度の高温、ここでは4H→He + Eの反応。    ビッグバン後の100秒間でHの10%位がHeになった。これは宇宙の存在度を示す。    構成中で作成されるHeは一部を除き白色矮星に取り込まれ沈殿するので、He10%はほとんど変化しない。    宇宙背景放射が発見され、ビッグバン時の温度推定から予想される3度Kが観測された。   D 福井教室 第141回(2021年2月27日)    M82中のStar burstは銀河の進化や星形成史理解のキーになる。    大質量星の生成率は、衝突雲の相対速度と柱密度の間で正の相関がある。    M51a, b相互の衝突位置での大質量星形成、M33におけるM31からの水素ガスの取り込み星形成例で検証中。    銀河中のガス雲衝突では高々 数10km/secに対し、銀河間衝突では100km/sec以上の相対速度が得られる。    Star Burst を起こす可能性は十分あると考える。  (5) SEMI JAPANウェビナー 宇宙と地球と半導体 リモート講演会 2020年12月22日   半導製造関連企業団体が主催する講演会で、講演者JAXA宇宙飛行士 油井亀美也氏、はやぶさ2PL 吉川真氏   油井氏:「宇宙と地球とテクノロジー」   ISS宇宙飛行士への特殊なニーズ、採決や歯の治療など自分でこなす、メディアトレーニング(例えば読んでもらえる   メールの表題、インタビューへの対応法)。   ISSでは毎日規則的生活:睡眠(8.5h)、朝食・準備、午前仕事、昼食、午後仕事(午前と合わせ8h)、運動(2h)、   夕食・自由。宇宙から見た地球は大気が薄く小さい、国境線は見えないが夜の明かりで差が歴然。   宇宙環境は-150〜120℃、宇宙線は2-3日で地上の1年分→家電など物も壊れやすい。   吉川氏:「はやぶさ2 Mission Complete の軌跡」   会見で発表された内容とほぼ同じ。オシリスレックスと情報交換は?→技術情報の交換はない。科学データは開示。   両氏とも半導体業界を対象とした発言として、宇宙関連システムでは、性能よりも信頼性が重要。   激しい環境で安定して作動することが求められ、システム構成も突発的な事象にも対応できるような冗長性を持たせる。  (6) 木星・土星の接近 とセレストロンC1100の電源問題   2020年12月20-22日木星と組成が接近した。   通常木星面同様の手法+0.5倍コンバータで撮像し、木星・土星・衛星(恒星)各部に最適な露光の部分を合成して   目視に近い画像とした。知り合いにこのイベントを見せたが、セレストロンC1100の制御が最近不調だったのが一段と   危うい状態だった。駆動系・制御系・ハンドコントローラなどを調査した。   最終的には電源アダプタが不良と判り、ほぼ同仕様の外部HDD用アダプタを流用している。  (7) 中日新聞に掲載された天文関係の記事 2020年10月19日〜2021年3月12日まで   計84件。内、関連性のある記事が多いもの;   @はやぶさ2 27件:リアルタイムで情報が開示されたのに加え、中部地区の関連科学者・技術者情報   AISS関連 12件:野口飛行士がスペースX宇宙船にてISSに滞在   B小柴昌俊 7件:ノーベル物理学賞受賞者の死去   C月探査関連 7件:嫦娥5のサンプルリターン、アルテミス計画
5. 撮ってみました    (木村)  (1) はくちょう座網状星雲  2020年11月14/15日 STC社製アストロデュロナローバンドフィルター                          (2) はくちょう座γ付近   2020年11月14/15日 STC社製アストロデュロナローバンドフィルター  (3) ガム星雲        2021年1月9/10日  STC社製アストロデュロナローバンドフィルター  (4) M42 2021年2月6/7日   IDAS製 NB1フィルター  (5) M83          2021年2月6/7日   IDAS製 NB1フィルター  (6) ω星団         2021年2月6/7日   IDAS製 NB1フィルター  (7) 地球照         2021年2月6/7日   IDAS製 NB1フィルター    コロナ禍での5ヶ月ぶりの楽しい例会でした。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  支部長  吉田孝次  メンバー 伊賀正夫、浅井香代、長谷部孝男、貞永幸代、小林 美樹、        木村達也、中谷仁、今枝優、土合加津代 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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